北米

2024.05.15 18:00

米国で密かなブーム、「幻覚キノコ」入り食品の実態

FDAの広報担当者は、フォーブスに次のように述べた。「ベニテングタケとその化学成分であるムシモールやイボテン酸、ムスカリンは、FDAの認可を受けた食品添加物ではありません。これらの物質が食品成分として使用されることについては、毒性に関する懸念が報告されており、眠気や昏睡を伴うせん妄を含む深刻な副作用があるため、安全性に懸念があります」

さらに、この状況に警告を発しているのは弁護士や政府職員だけではない。世界的に有名な菌類学者でサイケデリックな菌類の「責任ある薬用利用」を提唱しているポール・スタメッツは、このキノコを摂取する際には注意が必要だと説いている。スタメッツは、低用量のベニテングタケには、何の問題もないが、グミのパッケージ記載されているような量を摂取すべきものではないと指摘した。

「錯乱状態」に陥る危険

「大量に摂取すると、錯乱状態や強烈な酩酊状態、特異な反復運動症候群を引き起こします」とスタメッツは言い、制御不能な痙攣や衝動的な行動を引き起こす場合があると説明した。「つまり、このような製品を、危険な副作用をきちんと説明せずにに、一般大衆に販売することは危険だと思います」と彼はは語った。

皮肉なことに、マムシモールよりも強いサイケデリック効果を持ち、連邦レベルで禁止されているシロシビンには、ベニテングタケのような毒性はなく、安全性も高いという。

しかし、カリフォルニア大学アーバイン校で経営学と工学の学位を取得したウィクラマラッキは、このような懸念があるにもかかわらず、ポルカドットの製品については何の心配もしていない。「リスクはゼロです。私たちは、栄養補助食品に関連する連邦法や規制に従っているので、法的に何の問題もありません」と彼は述べている。

アマゾンでは「偽物」が販売中

一方、ポルカドットが抱える別の大きな問題は、市場に出回る偽物の存在だ。ウィクラマラッキによれば、シロシビンとその関連物質を含むポルカドットの偽物がニューヨークやカリフォルニアの店で発見され、フロリダでは子供たちを中毒にしたとさえ報告されている。

「アリババやアマゾンでも、ポルカドットのパッケージの偽物が出回っています。これは非常に厄介な問題です」

また、低容量のTHC(テトラヒドロカンナビノール、大麻に含まれる成分)製品を除いて大麻が違法とされているジョージア州スワニーのネルソン・ビグルス夫妻は、2018年にCBD(カンナビジオール、大麻に含まれる成分)が含まれる製品を扱うショップをオープンしたが、最近、ブリスというブランド名でムシモールを配合したグミとチョコレートのラインを立ち上げた。

ネルソンによれば、このグミを1粒食べれば気分が高揚し、2粒食べればハイになり、4粒なら本当に面白くなるという。「言わばシロシビンの弟分のようなものです」とネルソンは言う。

ビグルス夫妻は、FDAがムシモールを食用として認可していないことを理解しているが、それはCBD製品やその他のヘンプ食品についても同じことが言える。「この分野には明確な規制が存在しないのです」と夫妻は述べている。

しかし、DEAは定期的に禁止薬物リストをアップデートしており、現状ではグレーゾーンのベニテングタケが将来的にそこに加わる可能性は十分にある。それでもウィクラマラッキは、犯罪化されるような未来はないと考えており、少なくとも今はキノコの「ブーム」を楽しんでいる。

「私たちの製品は、人々に癒しを与えるためのものです。私たちはこのようなオーガニックな薬効を持つソリューションを長いスパンで人々に提供していきたいと考えているのです」と彼は語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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