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2024.05.10 18:30

【米国株ウォッチ】エスティローダー、年初からの下落で株価は割安水準?

Alex Tai/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

Alex Tai/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

スキンケア、メイクアップ、フレグランス、ヘアケア製品の製造を行う米大手のエスティローダー(ティッカーシンボル:EL)は先日、第3四半期の決算を発表した。同社の売上高は39億ドル(約6070億円)、1株あたりの利益は0.97ドルとなった。私たちの事前予想はそれぞれ39億ドル、0.46ドルだった。この好業績は、アジア地域の旅行需要の回復などに起因している。
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しかし、同社が発表した第4四半期のガイダンスが市場予測を下回ったため、ELの株価は過去5日間で2.69%下落した(米国時間5月9日の終値ベース)。

最近の下落を受け、ELには十分な上昇余地があると我々は考えている。本稿では、エスティローダーの株価パフォーマンス、最近の決算から読み取れる主なポイント、バリュエーションについて解説する。

株価パフォーマンス

まず、ELの株価パフォーマンスを見てみよう。ELの株価は、2021年1月初旬につけた265ドルの水準から現在の130ドル前後まで、50%の急落に見舞われている。同株の2021年のリターンは39%、2022年はマイナス33%、2023年はマイナス41%だった。これに対し、S&P500のリターンは2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年に24%であり、ELは2022年と2023年にS&Pを下回っている。

バリュエーション

バリュエーションの観点からは、ELは長期的に高いリターンが期待できそうだ。私たちは、ELの目標株価を現在の水準から20%ほど高い155ドルとしている。この目標株価は、過去2年間における平均的な株価予想売上高倍率の4倍を、直近の予想売上高と掛け合わせたものだ。

決算分析

エスティローダーの第3四半期の売上高は39億ドル(約6070億円)で、前年同期比5%増となった。スキンケア部門の売上高は8%増、メイクアップ部門の売上高は3%増となったが、ヘアケア部門の売上高は3%減となり、一部相殺された。フレグランス部門の売上は前年と比べ横ばいであった。

アジア太平洋地域の売上高は3%増となった。また、欧州もトラベルリテール事業の増加に牽引され、12%の大幅な伸びを記録した。営業利益率は前年同期比0.56ポイント増加の13.5%であった。調整後1株当たり利益は0.97ドル(前年同期は0.47ドル)だった。
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今後の見通しとして、エスティローダーは、2024年の売上高が2023年比で2%から3%減少し、調整後1株当たり利益は2.14ドルから2.24ドルの範囲になると予想している。前期2023年の調整後1株当たり利益は3.46ドルだった。

この見通しは市場予想を下回るものだったが、アジア地域の旅行需要とトラベルリテール事業の回復により、2025年度以降も堅調な成長が見込まれる。これは、利益率を高めるための同社の業務効率化プランの取り組みと相まって、全体的な収益成長を後押しするはずだ。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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