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2024.05.10 12:00

Shopifyの株価が「20%急落」、予想外の赤字と成長率の減速を嫌気

Getty Images

カナダを拠点とするeコマースプラットフォーム大手のShopify(ショピファイ)は米国時間5月8日、予想外の赤字を第1四半期(1〜3月期)決算で報告し、昨年の物流事業の売却が今四半期の売上成長を減速させる可能性があると警告した。

これを受け同社の株価は、上場来で最大の下げ幅を記録し、共同創業者でCEOのトビアス・リュトケの保有資産はで約12億ドル(約1867億円)減少した。

ショッピファイの株価は、8日午後に20%安の61.99ドルをつけ、2015年の上場以来で最大の下げ幅を記録した。同社の第1四半期の売上高は、前年同期比23%増の19億ドル(約2955億円)と予想を上回ったが、経費削減に苦戦した結果、2億7300万ドル(約426億円)の純損失を計上した。

さらに、同社が昨年に実施したフレックスポートへの物流部門の売却により、第2四半期の売上高成長が「20%台前半」から「10%台後半」に弱まる見込みで、売上高成長率が3~4ポイント低下すると発表した。

しかし、ショッピファイは、この売却により第2四半期の粗利益率が昨年同期比で2〜3ポイント増加し、粗利益にとって「追い風」になると述べている。それでも、6月までの3カ月間の粗利益率は四半期ベースで縮小する見通しだ。

バロンズの記事によると、同社のハーレー・フィンケルスタイン社長は、赤字の原因は新たなマーケティング戦略などの経費によるものだが、大きな成長につながる可能性のある事業分野を強化していくと語っている。

フォーブスは、ショッピファイの共同創業者でCEOのリュトケの保有資産が株価の急落で約12億ドル(約1867億円)減少し、現状で57億ドル(約8868億円)になったと試算している。

ショッピファイは、自らを「誰でもビジネスを始め、管理し、成長させることができる完全なコマース・プラットフォーム」と表現しており、決済処理や在庫データ、発送ツールなどを単一のプラットフォームに置くことで、企業のeコマースのニーズを一元化することに注力している。

ショッピファイの第2四半期の見通しは、世界的なeコマース業界の競争の激化や、パンデミックに後押しされたeコマースブームが過ぎた後の売上低迷といった逆風を踏まえてのものだ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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