同社は、早ければ今週中にもこのラウンドを完了させる可能性があると、ブルームバーグは関係筋の話を引用して報じている。
調達の時期や評価額、規模などの詳細はまだ未定だが、ブルームバーグやテッククランチ、The Informationなどのメディアは以前に、xAIが180億ドル規模の評価額で60億ドルを調達すると伝えていた。また、それ以前の報道では、150億ドルの評価額で30億ドル程度を調達する見通しとされていた。
このラウンドの参加者には、ベンチャーキャピタル大手のセコイア・キャピタルが含まれると報じられている。セコイアは、ペイパルの前身であるX.comやトンネル掘削事業のボーリング・カンパニー、スペースXなどのマスクのプロジェクトを支援してきた歴史を持つシリコンバレーの巨人であり、2022年には、現在のXであるツイッターを買収しようとするマスクを支援していた。
投資家たちは、マスクのテスラやスペースXでの実績や、ソーシャルメディアプラットフォームのXが、彼が手掛ける大規模言語モデル(LLM)の教師データの供給源となることに期待を寄せているとされる。
マスクは、今から約1年前に「宇宙の真の姿を理解する」という目標を掲げてxAIの立ち上げを発表した。彼は、グーグルのDeepMind(ディープマインド)やChatGPTの開発元のOpenAIのような業界リーダーに匹敵する会社を作りたいと述べていた。
マスクはOpenAIの共同設立者で、初期の支援者だったが、同社を買収する試みに失敗した後に、同社を去り、現在はOpenAIのCEOで共同設立者でもあるサム・アルトマンと公に対立関係にある。
マスクは、OpenAI がAIの安全性よりも利益を追求したとして同社とアルトマンを非難しており、彼らが利益の最大化を優先するあまり、「人類に利益をもたらす」オープンソースの人工知能を開発するという当初の目標を反故にしたとして、OpenAIを提訴するまでに至っている。
xAIは昨年11月にChatGPTに対抗する「反抗的でいたずら好きなチャットボット」という位置づけのGrok(グロック)を発表した(このチャットボットはジョークとしてTruthGPTとも呼ばれている)。今回の資金調達は、GrokをOpenAIのGPTやメタのLlama(ラマ)、アンソロピックのClaude(クロード)、グーグルのGemini(ジェミニ)のようなAI分野のリーダーの性能に近づける努力を加速させるのに役立つと考えられている。
(forbes.com 原文)