経営・戦略

2024.05.13 13:00

デジタル時代の採用戦略、カギは「成果指向」と「仕事のタスク化」

これを分解すると、よくある技術的問題を迅速に解決することが重要な課題であることがわかった。同社は、顧客からの問い合わせや日常的な問題を処理するためにAIを導入し、より複雑な問題や個人的な対応には人間の専門知識を活用することにした。AIの効率性と人間の共感性を融合させることで、望ましい結果を達成し、リソースの使用を全体的に最適化した。

成果ベースの採用を実施するための実践的ステップ

1. 戦略的成果の定義:組織の戦略的目標と、測定可能な成果を統合することから始めよう。こうした調整により、すべての仕事と役割が、より広範な目標に直接貢献するようになる

2. タスクの分析と分割:それぞれの戦略的成果について、管理可能な小さなタスクに分割する。各タスクを分析し、人間の直観や創造性、共感が必要か、それとも、自動化によってより効率的に管理できるかを判断する

3. 「スキルのインベントリ」作成:組織全体で必要とされるスキルの動的インベントリを作成する。このインベントリは、継続的に更新し、タスクの進化や新技術の統合を反映させる必要がある

4. テクノロジーとトレーニングへの投資:定型的で反復的なタスクを引き継ぐために必要なAIツールとテクノロジーを組織に装備する。同時に、AI能力を補完するヒューマンスキルを開発するためのトレーニングプログラムにも投資すべきだ

5. 監視、測定、反復:成果ベースのアプローチの有効性を評価するための指標を確立:タスクが進化し、新しいテクノロジーが出現するのに合わせて、戦略を定期的に見直し、改良する。こうした反復プロセスにより、組織はアジリティを維持し、変化する市場環境に適応することができるようになる

未来に備える組織の構築

成果ベースでタスク指向のワークフォース戦略への動きは、仕事の概念と実行方法を根本的に見直すものだ。こうしたモデルは組織に、よりアジリティを与え、人材計画を戦略的目標と整合させ、人間とAIの融合を最適化する。

将来を見据えたとき、こうしたモデルを採用するリーダーは、人的資源とデジタル資源の両方の可能性を最大限に活用する上で最も有利な立場に立つ。複雑さが増すばかりのビジネス環境において、イノベーションと競争優位性を推進するのに役立つだろう。

このアプローチは、企業の差し迫ったニーズを満たすだけでなく、将来の課題や機会にも備えるものであり、先見性のあるリーダーにとって不可欠な戦略になる。

forbes.com 原文

翻訳=藤原聡美/ガリレオ

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