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起業家

2024.05.15 13:30

ウイスキーでベンチャー起業!観光資源としての新たな可能性

イラストレーション=岡村亮太

日本全国で新たなウイスキー蒸留所が増えている。地域に人流を呼び込むための新たな観光資源になれるか? マクアケ創業者による好評連載第41回。


日本の国産ウイスキーの価値が世界で上昇している。ジャパニーズウイスキーはスコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアンと並び「世界の五大ウイスキー」のひとつと海外からも認識されており、そのクオリティに対する高い評価は定着し今も上がり続けているようだ。
 
ご存じの方も多いように、その先鋒として世界への道筋を切り開いたのはサントリーとニッカウヰスキーだった。1929年にサントリーが初の国産ウイスキーを発売したことを皮切りに、そこから長年コツコツと製法と味を磨き続け、200年には世界的な品評会であるベスト・オブ・ザ・ベストでニッカウヰスキーが総合1位、サントリーが2位を獲得するという快挙を成し遂げた。それ以降、ニッカウヰスキーの創業者を題材にしたNHK朝の連続ドラマの放映や、ハイボールの一般化、またインバウンドの加速などが続いていき、今や日本のウイスキーは海外に対して非常に偏差値の高いジャンルのひとつになっている。
 
さらに一部の銘柄は極めて入手困難な状態になっており、ものによっては何百万円という価格がついているものもある。その背景には投機的な側面もあろうが、金額の高低はさておいて、こうした評価の高さは巧妙なブランディングによるものというよりも純粋に製品のクオリティの高さと味の素晴らしさが広がった結果によるものだろう。

日本はもともと、「酒づくり」という観点からも「ものづくり」という観点からも長い時間をかけて創意工夫を重ね、毎年改善を続けていこうとする気質の高い国である。ウイスキーづくりにおいてもこの愚直な改善を積み重ねた結果であることは疑いようもない。発酵のコントロールや蒸留設備についても改善に改善を重ねたからこそたどりつける味がある。
 
世界的にジャパニーズウイスキーの価値が定着した今、ふたつの連鎖が起きようとしている。
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文=中山亮太郎

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年6月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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