罹患者は、親しい友人や愛する人の名前やあだ名さえも口にできなくなることがある。その恐怖は日常生活における社会的交流、人間関係あるいは職業機会に対して大きな影響を与える可能性がある。
罹患者には、ありふれた社会的交流が非常に困難な課題になる。たとえば、交流イベントや懇親会に参加した時、会話のきっかけを作ったり、人との関係を作る能力がアレキシノミアによって妨げられることがある。職場環境ではさらに大きな課題に直面する可能性があり、同僚や顧客を名前で呼びかけることが習慣化、あるいは期待されている場面ではさらにハードルが高くなる。
Frontiers In Psychologyに掲載された2023年の研究論文は、この現象の潜在的原因、影響および症状を調べた。
「覚えている限り、私はいつもこんな風でした。人を名前で呼ぶことができず、やってみるためには膨大な努力が必要なのです。私はそのことを強く意識するようになり、そんな時に夫と出会いました。彼を名前で呼びたいのに、できません。問題だと気づいたのはその時でした。私はいつも 『you(あなた)』とか 『(hey)ねえ』などと呼んでいます」と、研究対象の1人は説明した。
アレキシノミアの主要な症状と人間関係における心理学的な影響について、2023年の論文に基づいて紹介する。