国内

2024.05.12 12:00

関西国際空港、30年前の開業以来「預かり荷物の紛失ゼロ」

日本で3番目に人口の多い大阪府には国際空港が2つあり、その一つが関西国際空港だ。Nikkei Asiaの記事によると、関西国際空港で受託手荷物の紛失が発生しないのは、受託手荷物のチェックが複数回行われるからだという。

飛行機が到着すると、まずは、到着便に搭載されていた受託手荷物の数と、出発時に記録された受託手荷物の数が一致しているかを、スタッフが必ず確認する。この際、飛行機の貨物室や駐機場、集配場に残っているものがないかをチェックする。

その上で荷物係は、飛行機が駐機してから15分以内に、受託手荷物を受取所のターンテーブルに流し始めることを目標にしている。壊れやすい楽器などの受託手荷物はターンテーブルに載せず、乗客に直接手渡す。

当然のことながら、関西国際空港は、英調査機関のスカイトラックスが発表した世界空港ランキング『スカイトラックス・ワールド・エアポート・アワード(2024年版)』の手荷物取扱い部門ナンバーワンに選出された。さらにこれも当然のことだが、関西国際空港が同部門で1位に輝くのはこれで8度目だ。

ビジネス・インサイダーでは、関西国際空港と米国におけるロストバゲージの数を比較した記事を掲載した。米運輸統計局によれば、2023年に米国では、全受託手荷物の0.58%が紛失した(最繁忙期の2023年7月には0.75%に上昇した)。米国の国内線で行方不明になる受託手荷物は、毎年平均で300万個に上る

興味深いことに、関西国際空港がもつ記録はこれだけではない。米航空宇宙局(NASA)によると、関西国際空港は世界初の海上空港だ。1994年開業の同空港は、大阪湾の埋め立て地に建設された。ただし、その立地もあって、毎年2センチメートルから4センチメートルほど沈下している。建設資材の重みで、90年代初めからトータルで8メートル以上も沈んでいるのだ。

また、建設当時は世界最長の空港だったようだ。さらに、これはあまり関係ないだろうが、最も利用客の多い空港を対象にした2023年の調査では、関西国際空港で提供される食事の代金はトップクラスで、メインディッシュ1皿の値段は平均34.02ドル(約5270円)だった。

大阪では、2025年4月13日から万国博覧会(万博)が開催され、世界のリーダーが会して地球規模の課題に取り組むことになっている(第1回万博は1851年にロンドンで開催された)。2025年大阪・関西万博のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」だ。

2025年には、関西国際空港を利用する旅客者数が3733万人になると見込まれている。2023年の1399万人と比べて圧倒的に多いため、ロストバゲージ・ゼロの記録を更新できるかに注目だ。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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