世界が注目するIDGs
特筆すべきは、ロバート・キーガン(成人発達理論)、C・オットー・シャーマー(U理論)、エイミー・C・エドモンドソン(心理的安全性)をはじめ著名な学者の後押しもあり、すでに全世界500以上の拠点が創設され、トヨタや電通など多くの日本企業が加盟するWBCSD(持続可能な開発のための経済人会議)などの国際団体、GoogleやIKEAといった大企業やハーバード大学など、そうそうたる顔ぶれがパートナーとして名を連ねていることだ。これはメンタルヘルスが世界中で経営問題になっていることに加え、今日社会が直面する課題の多くは、知識や技術で解決できる「技術課題」ではなく、自分や組織、社会の価値観や考え方を変革することが求められる「適応課題」であるとして、解決を担う人々の「心」に注目することが必要だという認識が世界的に広まっていることを示している。
今後、日本においても、ウェルビーイング向上の先に、見据えていかねばならないテーマになるだろう。
小林麻紀◎スウェーデン在住。一橋大学法学部卒、 ストックホルム商科大学修士卒。大手日系製造業、 総合商社、外資系コンサル、海外スタートアップCOO を経てIDGs Japan Collaboration Hub代表、一般社団法人MiLIリサーチャー/IDGs講師。「北欧ウェルビーイング」プロジェクトを立ち上げ、イノベーション×北欧×ウェルビーイングの分野で事業開発中。