キャリア・教育

2024.05.13 16:45

マルハラを調査してわかったこと。

リリースベース(松村)
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メッセージを「。」で終わらせると「怒ってるみたいで怖い」と言われる、いわゆるマルハラが話題になった。年配者には何のことやらサッパリな感じだろう。「マルを付けちゃいけないの?」みたいな空気が日本を覆ったわけだが、実際にどれほどの人がマルを怖れているのか。グローバルマーケティング事業やメディア事業を展開するFORIT(フォーイット)が全国の20歳から69歳の男女500人を対象に行った調査で、ホントのところが見えてきた。

まず、文末が「。」で終わっている文章を目上の人から受け取ったときにどう感じるかという質問に、全体で64.8パーセントとダントツで多かった答えが「あまり気にしたことがない」だった。次いで、24.6パーセントが「丁寧さ」を感じると答え、「威圧感」、「距離感」、「怒ってる」と否定的にとらえる人は合計で18.6パーセントと少数だった。

男女別で見ると、これらの順位は変わらないものの、威圧感を覚える人は女性に多い。年代別でも、気にしないという人は20代30代では減少し、否定的な印象を受けるという人が増える。ただ、丁寧さを感じると答えたのは20代がもっとも多かった。

職業別では、否定的な感じを受けるという人は学生、パート、アルバイトが突出して多い。学生とアルバイトは20代が中心だと思えば納得がいく。

ネット社会では、少数意見も最大限のボリュームで伝わってしまう。どっかのおっさんのたわ言も、アメリカの大統領の公式声明と同列で流れてくるのがインターネットだ。たとえば今回の調査では、「気にしない」と「威圧感」がどちらも100パーセントに見えてしまうため、気にしていなかった人たちは、「え、そうだったの?」とビックリする。だから、こうした調査は貴重だ。マルハラに関しては、イヤだと言う人は若い女性を中心としたほんの2割ほどの人だちだった。ただ、大多数の人には理不尽に思える感覚を持つ人が2割もいるというのも事実。

「マルごときで」と憤慨する向きもあろうかと思うが、目上の人たちにビクビクしながら精一杯頑張っている、まだ世間をよく知らない若いアルバイトに、用件だけをSNSで伝えるというのは人情に欠ける。マルを付けようが付けまいが、「怒ってないからね、よろしくね」と一言伝えてやるぐらいは、大人の責任だろう。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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