発表されたフードデリバリーサービスは、今後数週間で全米のインスタカートの顧客が利用できるようになる。ユーザーは近隣のレストランを選択し、メニューを閲覧し、注文を行い、配達状況をリアルタイムで追跡できるようになる。
インスタカートの発表によると、レストランのリスト化はウーバーからの支援を受けて行い、インスタカートのプラットフォーム上で料理の注文を受け付けたあと、ウーバーイーツのデリバリー業者が顧客に配達するという。
今回の提携により、インスタカートの有料プログラムであるInstacart Plus(インスタカート・プラス)の会員は、35ドル以上の注文をすると配達料が無料になる。インスタカート・プラスの会員料金は、年間99ドル(約1万5000円)または月額9ドル99セント(約1550円)だ。
一方で、インスタカートの無料会員にはウーバーイーツの配達料が請求されるとのことだが、それが従来の配達料金と比べて安くなるかどうかは不明だ。
ウーバーの広報担当者であるリア・シーは、インスタカートとウーバーイーツのどちらで注文しても料理の価格は同じで、インスタカートの注文を通して配達員が受け取る報酬も同じだと話す。
今回の発表を受けたインスタカートの株価は、米国時間5月7日の終値で37.52ドルとなり、前日比で2.71%上昇した。
米国では大手企業間で食料品宅配サービスの競争が激化している。DoorDash(ドアダッシュ)が昨年家電メーカーのBest Buy(ベストバイ)と提携するなど、市場のライバルが新たなカテゴリーへのサービス拡大を続けるなか、インスタカートがフードデリバリー事業に参入することで、同社は市場シェアを拡大し、競争力を維持する狙いだ。
声明のなかで、ウーバーCEOのダラ・コスロシャヒは、この提携は「人々がどこにでも行き、何でも手に入れられる」ようにするためのものだと述べ、ウーバーイーツのサービスをより多くの顧客に提供し、レストランにとっては「より多くのビジネスチャンスを提供」し、宅配業者にとっては「より多くの収入を得る機会を与える」と付け加えた。
この提携が両社の売上をどのように押し上げるのか、また、インスタカートのシェアがどれくらい増えるのかはまだわからない。AP通信によれば、食料品宅配事業におけるインスタカートの市場シェアは現在25%で、ウォルマートの51%に及ばない。
(forbes.com原文)