銘酒「手取川」がますますサステナブルに 農林水産省も推奨する技術とは

プレスリリースより

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「手取川」の銘柄で知られる石川県の吉田酒造店は、これまでも積極的に再生可能エネルギーを導入して二酸化炭素を排出しない酒造りを目指してきたが、このほど酒米を栽培する自社の水田に、垂直型ソーラーシェアリング設備を完成させ、さらなる脱炭素化に乗り出した。

ソーラーシェアリングとは、農地にソーラーパネルを設置して、農作物を育てながら発電をする営農型太陽光発電のことを言う。農業に必要な電力を自家発電できるため、大幅なコストダウンと脱炭素への貢献が期待できる。農林水産省も10年ほど前からこれを推奨しており、各地で導入されている。しかし、従来方式では畑の上に屋根のように設置したソーラーパネルにより太陽光が遮られることから、栽培できる農作物が限定される。また、農機具を入れにくいといったデメリットもある。

「讃岐の田んぼ」が九州大学と共同研究中の上部空間設置型ソーラーシェアリング水田(農林水産省『営農型太陽光発電取組支援ガイドブック』より)。

「讃岐の田んぼ」が九州大学と共同研究中の上部空間設置型ソーラーシェアリング水田(農林水産省『営農型太陽光発電取組支援ガイドブック』より)。

そこで、近年注目されているのが垂直型だ。これはソーラーパネルを看板のように垂直に立てるというもの。両面にパネルがあり、東西に面して設置される垂直型パネルは朝日と夕日が当たる時間帯が発電ピークとなる。畑の上が空くので、大きな農業機械の邪魔にならず、豊富な太陽光が必要な農作物も栽培できる。
竣工式の様子。中央が吉田酒造店 7代目蔵元の吉田泰之氏。

竣工式の様子。中央が吉田酒造店 7代目蔵元の吉田泰之氏。

吉田酒造店は、石川県白山市にある約2400平方メートルの自社田に198枚の垂直型パネルを設置した。発電量は年間9万3721.32キロワット時とされている。今回竣工した垂直型ソーラーパネルと社屋の屋上にすでに設置されているソーラーパネルとを組み合わせることで、発電ピークが朝から夕方まで広がることになる。

施工したのはサステナブルな電力サービス「みんな電力」を提供するUPDATER(アップデーター)。吉田酒造店は、みんな電力の再生可能エネルギー100パーセントのプランを利用している。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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