スタングル退任の発表の前、Gapはリチャード・ディクソンCEOのもとで、スタングルが20年以上にわたってキャリアを積み、BANANA REPUBLICでも先頭に立って進めてきたホームウェアとインテリア分野の取り組みを再検討していた。
「第1四半期を終えるにあたり、サンドラと私はBANANA REPUBLICの経営体制を刷新することに合意した」とディクソンは社員にあてた内部メモで決断について説明。「サンドラが2020年12月に加わって以来、BANANA REPUBLICは美的センスを高め、このブランドの真の可能性を描くのに役立つ新たなカテゴリーを探求するために劇的な変化を遂げてきた」と書いた。
そしてディクソンは「BANANA REPUBLICのビジョンと可能性の構築を進める新しいリーダーを探す間、24年度の目標に向かって前進できるよう、私はBANANA REPUBLICの経営陣と緊密に連携をとる。そして重要なことだが、一丸となって引き続き我々のカルチャーを活気づける」としたためた。
実際のところ、これまでの戦略が報われた形跡はほとんどない。BANANA REPUBLICの2023年第4四半期の売上高は前年同期比2%減の5億6700万ドル(約870億円)、既存店の売上高は4%減だった。さらに、通期の売上高は前年比8%減の19億ドル(約2920億円)、既存店の売上高は7%減だった。
方向転換とアプローチの刷新を求める圧力が内部で高まっていたのも不思議ではない。