同研究所によると、TikTokに1回でも投稿したロシア政府系のアカウントの数は、2022年の57から今年これまでのところ46に減っているが、投稿の頻度は増している。そうしたアカウントの多くをTikTokは「国営メディア」のものと分類している。
2022年には1日あたり平均2回投稿していたロシア政府系のアカウントは1つしかなかったが、今年は今のところ3つのアカウントが1日平均10回以上投稿している。また、ロシア政府系のアカウントの投稿は昨年は1日2、3回だったのが、今年は概ね1日4、5回となっているという。
ロシア政府系のアカウントはX(旧ツイッター)のような他のSNSにまだ活発に投稿しているが、中でもエンゲージメントが高まっているのはTikTokだ。全SNSにおけるロシア系アカウントの今年これまでで最もエンゲージメントが多い投稿トップ50のうち44がTikTokへのものだったことが報告書で指摘されている。
ロシア政府系のTikTokの投稿の全体的なエンゲージメントは2022年以降大幅に増えており、同年には1日あたり300万だったのが、現在では1日あたり1300万となっている。だがこの急増は、各投稿のエンゲージメントの増加ではなく、投稿そのものの増加を反映していると報告書は注意を促している。
ロシア政府系のTikTokのコンテンツは、他のSNSに投稿されたものに比べて米国の政治に関するものである傾向が強い。米保守系FOXニュースの元司会者タッカー・カールソンが今年初めに行ったロシアのウラジーミル・プーチン大統領へのインタビュー中にロシアを称賛したことを取り上げたり、米国のジョー・バイデン大統領の年齢をからかったりしている。
とはいえ、米国に焦点を当てたコンテンツは、ロシア国営メディアの投稿全体の3%に過ぎず、多くの投稿はウクライナでの戦争や北大西洋条約機構(NATO)などに関するものだ。