しかし、心理学の分野ではこれらは異なる特徴と意味合いを持っている。違いは些細なことに思えるかもしれないが、これらの用語を混同することで、重大な判断ミスを招く可能性がある。
ソシオパスとは何か?
「Current Psychiatry Reports」に掲載された研究によれば、かつてソシオパスと呼ばれていたものは、現在では反社会性パーソナリティ障害(ASPD)として知られている。この障害は、他者の幸福に対する無視や侵害という特徴的なパターンで表れる。ソシオパスの行動は通常、幼少期または思春期初期に始まり、成人期に続くとされる。研究によれば、この障害の一般的な有病率は2〜3%で、男性では約3%、女性では約1%とされている。受刑者集団では、この比率ははるかに高く男性囚人の47%、女性囚人の21%がASPDの診断基準を満たしている。
「精神疾患の診断・統計マニュアル」(DSM-V)には、ASPDまたはソシオパシーを診断するための具体的な基準が示されている。診断基準を満たすためには、人格機能に中程度または大きな障害があり、以下の4つのうち少なくとも2つの領域で特徴的な困難を抱えている必要がある。
・アイデンティティ:個人的な利得、権力、快楽から自己中心的に自尊心を得ている
・自分指向:行動目的が通常、個人的な満足感に基づいており、合法的または文化的に規範的な倫理的行動を守ることが難しい
・共感性:他者の感情、ニーズ、苦痛に対する関心の欠如および他者に危害を加えた後の後悔の欠如
・親密性:相互に親密な関係を築くことができず、代わりに搾取、欺瞞、強制によって特徴付けられる関係を維持する
さらに、ASPDの診断には、以下の7つの病的パーソナリティ特性のうち、少なくとも6つを示す必要がある。
・操作的
・非情
・欺瞞
・敵意
・リスク指向
・衝動的
・無責任
サイコパスとは何か?
一方、サイコパスはASPDの一形態であるが、それでも独自の概念である。研究によると、サイコパスは感情的、対人的、ライフスタイル的、反社会的な特性によって特徴づけられており、その点はソシオパスの基準と非常に類似しているサイコパスは共感、罪悪感、自責の念を欠き、浅薄で欠落した感情を示す。また、誇大性、傲慢さ、欺瞞性、操作性を示すこともあり、そのほとんどはソシオパスにも見られる。しかし、衝動性がある一方、サイコパスは計画的で意図的な反社会的行動をとることが多い。一般人口におけるサイコパスの有病率は約1%だが、囚人の間では約25%と非常に高い。