テクノロジー

2024.05.05 16:00

iPhoneのノッチをなくし、Android端末で安価で安全な顔認証を実現する新技術

最大1万個のメタサーフェスカメラレンズが載るMetalenzのウェファー(Metalenz)

最大1万個のメタサーフェスカメラレンズが載るMetalenzのウェファー(Metalenz)

お持ちのiPhoneを見ると、その画面の上部にはおそらくノッチ(切り欠き)があるだろう。iPadやMacBookも同様だ。ボストンのスタートアップが開発した「メタサーフェスカメラ技術」は、そのノッチをなくすだけでなく、真に安全な顔認証機能を低価格のAndroid端末でも可能してくれるはずだ。
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「iPhoneには顔認証によるロック解除機能がありますが、その機構は非常に高価かつ非常に複雑であり、スペースが必要なのでiPhone以外には広まっていません」とMetalenzの創業者でCEOのロブ・デブリンがTechFirstポッドキャストで語った。「Androidスマホは生体認証を望んでいましたが、しかし高価すぎるため費用を負担できず搭載できていません」

iPhoneは顔認証によるロック解除を、前面カメラ、ライトおよび目に見えない3万のドットを顔に照射する投光イルミネーターを用いて実現している。これらの部品の組み合わせは、あなたが本当に本人であり、iPhoneをロック解除しても安全であることを確認する高セキュリティの3D認証を行うために必要だ。赤外線を利用しているため暗いところでも作動し、可視光カメラだけを使用するより安全性が高く突破は難しい。

iPhoneのFaceIDカメラシステムとMetalenzのPolar IDの比較(Metalenz)

iPhoneのFaceIDカメラシステムとMetalenzのPolar IDの比較(Metalenz)

コストも10〜15ドル(約1500〜2300円)になるため、スマートフォンメーカーにとっては高価な部品となる。Androidスマホはこの顔認証を実装したかったが、メーカーが希望する価格帯を考慮すると高すぎた。
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たとえば2020年に発売されたGalaxy S20は単純な2D顔認証を使っている。この方式の問題は、「顔の2Dモデルが手に入れば、写真で顔認証をだませることだ」とAndroid専門家はいう。同時期に発売されたGoogle Pixel 4は、iPhoneと似た投光イルミネーターとドット照射機を使ってセキュリティを大幅に高めている。Galaxyは現在のS24でも一部のユーザーで顔認識の問題が発生している。

上位機種でさえそうなら、ローエンドの安価なAndroidスマホはどう戦えばよいのだろうか? 多くの場合、答えは「戦えない」であり、消費者団体のWhich?が2023年に行ったテストによると、ノキア、シャオミ、OPPO、Honor、モトローラなどのメーカーのAndroid機で単なる写真を使ってロックを解除できた。
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翻訳=高橋信夫

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