年始のCES 2024で、医療の進化が見られた。リモート聴診器も複数出展されておりフランスの「Withings」は米国のFDA認証も間近という。リモート聴診器の中でも韓国の「Skeeper」は自分の心拍数や肺の音を録音できるので、データは自分のものとして、セカンドオピニオンを得やすい環境にもなってきている。また、生成AIを活用した自宅での見守りもトライアルが始まっている。
日本のAI医療スタートアップ「アイリス」が世界50以上の国と地域が参加する『スタートアップワールドカップ 2023』世界大会で優勝を果たしたのも新たな医療への期待が表れているからだろう。
「世界に注目いただける『スタートアップワールドカップ 2023』で優勝したことは素直に嬉しかったです。我々の取り組みの独自性を認めていただけたのかな、と。我々は技術開発と社会実装の両輪を進めているので、その点も評価いただけたのかと思っています。また、創業から6年かけて作り上げてきた独自の医療データベースを評価いただけたのもありがたいです。」
控えめに世界大会優勝について述べるのはアイリス 代表取締役で医師の沖山翔氏だ。 日本で初めて※1の、「新医療機器※2」としての承認を取得したAI搭載医療機器であるインフルエンザ検査デバイス「nodoca®」を開発し、その社会実装も進めている。既に千を超える医療機関で採用され(2024年2月末日時点)、患者としても万単位でAI診療を受けているという。敷居が高いと言われる医療分野のスタートアップとして、技術開発と社会実装を創業からわずか5年で達成したことに驚く。
※1 PMDAが公開する令和3年度〜平成23年度の新医療機器の一覧及び令和4年度の承認医療機器を確認した情報
(2022年5月9日時点)
※2 平成26年11月20日 薬食発1120第5号が定める定義