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2024.05.02 15:45

三井物産は利益1兆円超え 商社パーソンに学ぶ地球規模の「稼ぎ方」

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ウォーレン・バフェットは、2023年4月に来日した際、「5大総合商社株の保有比率を引き上げる」と公言した。そこから約1年。各社の株価は軒並み上昇傾向にあり、上場来高値を更新。三井物産の2023年度決算は最終利益は1兆636億円(5月1日公表)、三菱商事の同利益は9640億円(5月2日公表)と、両社とも過去2番目に高い水準で、それぞれ1兆円前後の利益を叩きだした。

商社が躍進を続ける理由とは何か。自身も三菱商事出身かつ、伊藤忠商事グループのファミマでの経歴も併せ持つ植野大輔が、Forbes JAPAN ニュースレター「大胆不敵なキャリア戦略」コーナーで紹介した商社の強さの秘密を掲載する。

商社パーソンはスーパーゼネラリスト

以前、総合商社躍進の秘密の一つに、身銭を切った「ブラッディインフォメーション」による、事業投資だと書きました。ブラッディインフォメーションとは、「A社の商材の品質が落ちた」「B社からの支払いが遅れている」「C社のエースがD社に転職して挨拶に来た」など、血を流すような覚悟で業界の商流にどっぷりつかることで得られる生々しい情報のことです。
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事業投資でも成功する総合商社 カギは「血の情報」にあり 

では、この血の情報を日々得る、商いの前線にいる商社パーソンたちは、どのような力で、この血の情報を“稼ぎ”に変えていくのでしょうか?

彼ら彼女らの力を分解すると、ズバリ3つあります。

1つが、スケール感ある商い精神。とにかく、何か稼げるチャンスがないか、常にアンテナをはっているのが商社パーソン。私は昔、メディア部門にいましたが、投資先の会社が使うコピー用紙まで売りに行っていました(オフィス1Fのコンビニには、グループ会社のローソンを入れてくれという交渉もしました)。

こんなアンテナをいつも立てつつ、とても重要なのが「スケール感ある商い精神」です。稼ぐなら数十億円のサイズ感がないと、「会社の間尺に合わない」という精神があります。ここが、小粒で終わることもあるスタートアップや、積極拡大を目指さない中小企業と、超大企業になっても成長を続ける総合商社との、歴然とした差になっていると、個人的に思っています。

2つ目が、意外かもしれませんが、スーパーゼネラリストであること。血の情報を掴める深い業界知識を持ちつつ、同時に、会計やファイナンス、法務、税務の基礎スキルもあり、さらに営業、交渉、接待まで何でも一通りこなせるのが、商社パーソンです。

私も新人時代、投資先の人手が足りないから「オマエがやれ」と、決算業務を弥生会計を使いながら、見様見真似でやってました(先輩には、本を一冊読んで、営業部門なのに税務申告を自力でやり遂げたツワモノもいました)。

このように、必要に迫られて何とか自分でやることで、広範囲なビジネススキルが蓄積されます。そして、商い精神と、ゼネラリストスキルをかけ算すると、一つの案件をより立体的にとらえ、さまざまなスキームを描けるようになります。PLに強いのがコンサル、BSに強いのがインベストメントバンカーですが、PL、BSを理解し、さらに自らプレイヤーとして仕掛けられるのが商社パーソンなのです。
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文=植野大輔

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