昨年秋、カナダ政府がこれらの車両をウクライナに譲渡するのでなく、すべて廃棄すると発表した時には疑問の声が噴出した。カナダ国防省は、これらの車両の多くは数十年にわたり酷使された結果、「状態が非常に悪い」と説明している。
だが、ウクライナの当局者少なくとも1人は気にしていない。ウクライナ議会の軍需品に関する委員会のトップを務めるオレクサンドラ・ウスティノバ議員は、カナダのCBCニュースに「ウクライナはジャンク品であっても受け取る用意があります。分解して3両から1両をつくり出そうとするでしょう」と話している。
また、カナダのオンタリオ州に本社を置くアーマテック・サバイバビリティー社は、これらの老朽化した車両の改修・更新の入札を自発的に申し出た。月に8両のペースでできるという。しかしウスティノバの嘆願やアーマテック社の提案を受けても、カナダ政府は古い車両をウクライナに供与する方向に動いていない。
その結果、ウクライナは、必要な装甲兵員輸送車の5%ほどにすぎない新しいバイソン50両が届くのを、1年間待たされている。
(forbes.com 原文)