BTS事務所「HYBE」で内紛、どうなるミン・ヒジンとNewJeans?

4月25日、韓国ソウルの韓国カンファレンスセンターで記者会見に臨むADORのミン・ヒジンCEO。(Photo by Han Myung-Gu/WireImage)

どうなる東京ドームでの復帰イベント

こうしたHYBE側のマスコミ発表に耐えられなくなったのか、ミン・ヒジン代表は、4月25日に記者会見を開いた。彼女は会見場にノーメイクでカジュアルな緑のTシャツに野球帽を深くかぶって現れた。
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各放送局や新聞など、多くのメディア関係者が詰めかけ、その様子はYouTubeでライブ放送された。記者会見は2時間以上続いた。一般の記者会見とは違って、紙に書いてある文章を読み上げることはせず、自分の立場について話し言葉で語った。マスコミで描かれたクールなイメージとは裏腹に、ミン・ヒジン代表は話の途中で泣いたり、言葉を荒げたり、罵詈雑言を交えての会見で、HYBEのパン・シヒョク氏に対しての悪口もやめなかった。

現在、ミン・ヒジン代表の手がけたNewJeansは非活動期に入っているが、この時期にNewJeansにそっくりな女性アイドルグループILLIT(アイリット)がHYBEからデビュー。デビュー曲の「Magnetic(マグネティック)」はすぐにスポティファイで1億再生数を突破した。K-POPの女性アイドルグループでは最短記録だ。

これを指して、会見ではミン・ヒジン代表は、自分が力を入れてきたNewJeansのイメージをパクったアイドルが、同じHYBEレーベルから出るのはイメージの消耗が激しくなるので、抗議をしたと語った。しかし、抗議は受け入れられず、逆に自分をつぶしにかかっているとも述べた。
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するとHYBEは、会見の同日に、警察署にADORのミン・ヒジン代表と副代表に対して、業務上背任容疑で告発状を提出した。

一方、HYBEの社屋前では、トラックデモが行われている。トラックを持ち出しているのは、「バニーズ」というNewJeansの公式ファンクラブで、そこでは「バニーズはHYBE所属のNewJeansを支持する。ミン・ヒジンはこれ以上NewJeansやその家族を利用するな」「ミン・ヒジンは他のアーチストの誹謗を即刻やめろ」などの抗議の言葉が発せられている。

この騒動の余波でADORの親会社であるHYBEの株価は7.8パーセント急落したが、証券業の界隈では、HYBEにはNewJeansだけでなく、LE SSERAFIMやSEVENTEENなど超人気アイドルが所属しているので、いまは下がっても株価はすぐに復活するものと思われている。

それより余談だが、当日ミン・ヒジン代表が記者会見で着ていたヒップなファッションが若者に受けたらしく、CGS (ユナイテッドアローズが販売)の緑に白のボーダーメンズのカットソーとロサンゼルス・ドジャースのキャップが、その後すぐに完売したという。

また、彼女の会見の映像はミーム(Meme)化され、彼女はMeme・ヒジン、「クックヒムワントップ(国内ヒップホップ界のOne Topという意味)」と呼ばれるようになった。
一連の騒動はまだまだ先が読めないが、今回の会見を通じてはっきりとミン・ヒジンというクリエーティブ・ディレクターを全国的に知らしめる結果となったことは間違いない。

とりあえず、現在、非活動期のNewJeansは、来る5月24日にニューシングルでカムバックする予定であり、6月26日と27日には日本で「バニーズキャンプ2024東京ドーム」というイベントも予定されている。

文=アン・ヨンヒ

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