同社は第1四半期に過去最高益を上げたものの、収益性と月間アクティブユーザー数の伸びに関しては業績予想(ガイダンス)を下回った。
ダニエル・エク最高経営責任者(CEO)は23日の決算説明会で、昨年末の人員削減の影響で「重大な」問題に直面したと投資家に説明。「人員削減が戦略的に正しい決断だったことに疑問の余地はないが、予想以上に日々の業務に支障をきたした」と認めた。
昨年、雇用を減らしたのはSpotifyだけではない。人員削減の情報を追跡しているサイトLayoffs.ffyiによると、1200社近くのテック企業がレイオフを実施した。アマゾンやTwilio(トゥイリオ)、Zulily(ズリリー)、Chewy(チューイー)なども冬季休暇直前に人員を削減した。
会社の規模を調整
エクは昨年12月の従業員宛て電子メールで、経済成長の鈍化と資本コストの高騰のために人員削減するに至ったと説明。「現実から逃れることはできない」として「今後待ち受ける試練に備えるため会社を最適な規模にする」べく、厳しい決断を下す必要があったと述べた。エクはまた、従業員が意義のある業務を行っていないことについても言及。「真にインパクトのある業務に貢献するよりも、補助的な業務や周辺業務に専念している人がまだ多すぎる。より多くの従業員が、会社にとって大事なクリエイターと消費者のためになる業務に注力する必要がある。つまり、私たちは絶えず機転を利かして働かなければならない」と訴えていた。
こうした状況に加えて、音楽・ポッドキャストのストリーミング業界は、コンテンツのライセンス費用の高さにゆえに収益性の達成に苦心している。
Spotifyは昨年1月に約600人を解雇した後、6月にも人員を整理して約200人を解雇した。12月の人員削減発表に続き、ポール・ヴォーゲル最高財務責任者(CFO)が3月に退社することも発表していた。
決算説明会でエクは、足場固めに時間がかかったことを認めた上で、「本来の軌道に戻ったと思う。今年1年を通じて改善計画の実行を続け、これまで以上によい状態に持っていけると期待している」と語り、投資家らを安心させた。
(forbes.com 原文)