ファッション小売企業にとって、ブランドを冠した飲食店の運営には多くのメリットがある。まず、従来の店舗や商品以外にもブランドを広げ、新たな方法で顧客と関わりを持ち、顧客に長くブランドに接してもらうことができる。これは自然にブランドの認知を高めるのに役立つ。飲食店を店舗や商品のすぐ近くに構えれば、今後の購買につなげられる。
そのほかの明らかなメリットは、ソーシャルメディアでの露出が増えることだ。コンセプト店は、人々の記憶に残り、美しく楽しい場にすべくかなりの投資が必要となり、インスタグラムやTikTokに写真が投稿されることを意識して設計される。「映える」店にすることでブランドのリーチと認知度が高まる。と同時に、資産価値も高まり、若い層がこうした飲食店やブランドの店舗に足を運ぶことを期待しつつ、幅広いオーディエンスとの交流にも役立つ。
コーチとケイト・スペードに続くブランドも出てくるだろう。夏が近づくにつれ、より多くのブランドがポップアップ店舗やユニークな飲食店を展開して提供するサービスの領域を広げ、ブランドの魅力と資産価値を高めつつ、その後の来店を促すような方法で消費者と関わることが予想される。
小売企業は本来の事業領域で競争力を維持するために、ユニークで考え抜かれた顧客体験を提供しようと懸命で、飲食業への進出は人気のある取り組みとなっている。 さて、顧客を楽しませ、ひきつけるために、ブランドは次にどんな策に打って出るのだろうか。
(forbes.com 原文)