NCHSの暫定データによれば、2023年の米国の出生数は360万人弱で、前年から2%減少した。このデータは、過去10年間における年間約1〜2%の減少トレンドとほぼ一致している。米国の出生数は、パンデミックの初年度の2020年に前年比4%の急落を記録し、2021年にはその反動で7年ぶりの増加(1.3%増)を記録したが、2022年は前年比0.1%減という緩やかな落ち込みに戻っていた。
15歳から44歳までの出産適齢期の女性の出生率は、1000人あたり54.4人で、2022年から3%減少したとCDCは報告している。
報告書の主執筆者であるNCHSの人口統計学者、ブレイディ・ハミルトンによれば、この出生率は、同センターが出生に関するデータの集計を開始して以来で最低であり、これまでの最低値であった2020年の1000人当たり約56人を下回った。
10代の出産も昨年、15歳から19歳の1000人あたりが13.2件となり、過去最低を更新したが、2007年から2022年までの年平均7%の減少に比べれば、前年比3%の減少は少なかったと報告書は述べている。
CDCの報告書によると、現在全分娩のほぼ3分の1(32.4%)を占める帝王切開分娩の割合は、4年連続で増加し、その割合は2012年以来最も高く、黒人の母親(37%)の割合が最も高かった。
米国の2023年の合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に出産する子供の人数)は約1.62で、人口統計学者が「置換率」と呼ぶ基準値を大きく下回っている。置換率は、現在の人口が増加も減少もしない均衡した状態となるための出生率を意味するもので、CDCはこの値を2.1としている。米国の合計特殊出生率は、1971年以来おおむね置換率を下回っており、2007年以降に一貫して置換率を下回っていると報告書は述べている。
米国の出生率は数十年にわたり低下しているが、この継続的な低下は、人工妊娠中絶へのアクセスをめぐる議論が政治化される一方で、経済や環境に対する懸念が高まっている中で生じている。
(forbes.com 原文)