第1四半期の売上高はCER(恒常為替レート)ベースで前年比17%増の38億ユーロ(約6400億円、41億ドル)となり、すべての地域で2桁の伸びを記録した。伸び率、売上高ともファクトセットの市場予想平均(13%、40億ドル)を上回った。
グループの売上高の40%超を占め、バッグの「バーキン」などを含む「皮革製品・馬具部門」は、新モデルの投入などにより売上高が20%増え、全体の伸びを牽引した。2番目に大きな部門である「既製服・アクセサリー部門」が16%増で続いた。いずれも市場予想を上回る伸びだった。
日本の売上高25%増
日本を除くアジア太平洋地域の売上高は14%増となり、ほかの高級ブランドを悩ませている中国市場の不振を乗り切った。アジア太平洋地域はグループの売上高の半数超を占める。日本も25%増と絶好調だったほか、米州の売上高も12%増だった。エルメスの好業績と対照的に、フランスのライバル2社は苦境にある。LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは、2024年第1四半期の売上高が前年同期比3%増と小幅の伸びにとどまった。また、グッチなどを傘下にもつケリングは、2024年上半期に前年同期比40~45%の減益を見込む。
25日午後のパリ市場でエルメスの株価は4.7%下落したものの、年初来では16.3%上昇している。今年の株価騰落率でもLVMH(4.5%上昇)とケリング(19.1%下落)を引き離している。