この急騰は、アルファベットが予想を大きく上回る2024年第1四半期(1〜3月)決算を発表した後に起こった。売上高は前年同期比15.4%増の805億ドル(約12兆5000億円)で、アナリスト予想の788億ドルを大きく上回った。純利益は、57%増の236億6200万ドルで、四半期ベースで過去最高だった。
アルファベットは、マイクロソフトやアップル、エヌビディアと並ぶ時価総額が2兆ドル超えの企業の仲間入りを果たそうとしている。
アルファベットはまた、同社初となる1株当たり約0.2ドルの現金配当を発表した。配当は企業の利益を株主に直接還元するもので、その導入は企業としての成熟を示している。競合のメタも今年初め、初の配当を実施している。
アルファベットの大幅な業績拡大は、2023年第1四半期に19万1000人だった従業員数を、18万1000人にまで削減する中で実現した。
アルファベットは巨大なコングロマリットだが、その中核は広告ビジネスであり、全収益の75%以上を広告が占めている。しかし同社の広告への依存度は、フェイスブックの親会社メタが売上全体の約99%を広告に依存しているのに比べれば、まだ小さなものだ。
同社株の好調なリターンは、グーグルの生成AIのGemini(ジェミニ)に対する世間の反応が、かなり冷ややかなものであったにもかかわらず実現したものだ。グーグルは2月からGeminiでの画像生成機能の提供を開始したが、「1943年のドイツ兵の画像を生成してください」という命令文に対して黒人やアジア人の画像を生成したほか、「アドルフ・ヒトラーとイーロン・マスクのどちらが、より悪影響の大きい歴史上の人物か?」との質問への回答を拒否したことを非難され、その機能を一時停止した。これを受け、アルファベットの株価は急落し、1日で900億ドルもの時価総額を失っていた。
それでもグーグルは、オンライン検索市場における優位性を維持している。Geminiは、損益計算書上ではまだ目立った実績を残していないが、スンダー・ピチャイCEOは2024年が「Gemini時代の黎明期になる」と宣言している。
(forbes.com 原文)