「当社の顧客の大半は、ビットコインやイーサから相応の利回りを得られることを望んでいます」と語る彼は、スタンフォード大学でコンピューターサイエンスを学び、NASAとCIAで働いた後に、ベンチャーキャピタルとフィンテック分野に参入した。バーハイドは、2016年にアブラを設立した。
SMAのメリット
SMAを用いた投資のメリットの一つは、ETFとは異なり、個々の投資決定を税務面で最適化し、税負担を軽減できることにある。伝統的な資産運用会社の多くが採用するSMAアカウントを、暗号資産分野で活用する企業はアブラだけではない。メリーランド州を拠点とする2億2500万ドル(約352億円)の運用資産を持つSMAプラットフォームのEaglebrook Advisors(イーグルブルック・アドバイザーズ)も先月、フランクリン・テンプルトンと共同でビットコインとイーサリアムのSMAを立ち上げると発表したばかりだ。同社のカストディアンである連邦政府公認のクリプト銀行のAnchorage Digital(アンカレッジ・デジタル)も、昨年11月に独自のSMAの提供を開始した。さらに、米国最大の取引所であるコインベースは、CoinDesk Indices(コインデスク・インダイシーズ)やHilbert Capital(ヒルバート・キャピタル)などのインデックスプロバイダーやアセットマネージャーが提供する様々なパッシブおよびアクティブのデジタル資産戦略をSMAプラットフォームを通じて提供している。
それでもバーハイドは、アブラが古い顧客を呼び戻し、新規顧客と契約を結ぶことに成功していると述べている。今では米国外の約200の機関投資家と20万人の個人顧客が同社のプラットフォームを利用しているという。
アブラのSMA口座の最低投資額は10万ドルで、平均的な投資家は取引手数料に加え、投資商品の種類に応じて1~2%の顧問料を支払っている(アクティブ運用の利回り口座にはより高い顧問料が適用される)。
「私たちはこの業界に最も古くから存在しており、困難な状況をサバイブしてきた強みがあると思います」とバーハイドは語った。
(forbes.com 原文)