自己効力感が増せば、ひいてはパートナーとの関係への満足度が上がり、対立が生じても建設的な行動を起こせるようになる。
この研究論文を書いた研究者たちによると、大半の人は、問題解決に役に立つ行動とは何かをすでに知っており、そうした手段について思い起こす時間さえ設ければいいのだという。この研究では、参加者に、最近パートナーとあいだで起きた大きな対立を思い出してもらい、そのときのことを念頭に、次の6つの質問について内省するという課題を与えた。
1. 意見が対立したのはなぜか
2. 意見が対立したときにどう対処すべきだったのか
3. 意見が対立したときは、一般的にどうやって解決すべきか
4. パートナーと意見が対立したときに、一般的に人はどう反応すべきか
5. 4の回答のように反応するのが合理的であるのはなぜか
6. 今後、意見が対立したときに、どのように対処するのが最も効果的なのか
研究参加者はこの課題に取り組むことで、意図的で建設的な自省を促された。そして、対立が起きたときの自分の反応について、より客観的かつマインドフルになり、いずれまたそうした対立が起きたときの乗り越え方について理解を深めたという。
マインドフルネスが、パートナーとの対立解消に役立つのはなぜか
「パートナーとの意見対立をうまく解消するための知識やスキルをたとえ持っていたとしても、パートナーに対して強い憤りを感じたり、自己効力感が低くて自分は問題を解決できないと考えていたりすれば、そうした知識やスキルを活用する力が妨げられてしまう可能性がある」と、研究論文には書かれている。研究者が提供した「振り返りの課題」によって、カップルは、その状況に真に役に立つことに関する、自分の直感的な知識を生かすことが可能になる。そして、感情が高ぶって思わず衝動的に反応してしまうのではなく、そうした知識を自分たちの状況に活かせるようになる。
研究論文には、さらにこう書かれている。「この研究は、たとえ10分であっても、パートナーとの対立について内省する時間をもつと、将来的な対立に対処する準備が、意義あるかたちで改善され得ることを示唆している」