サイエンス

2024.05.03 17:00

パートナーとの意見対立、乗り越えるのに役立つ「6つの質問」

Getty Images

対立に伴う気まずい感情から逃れるため、対立が最初から起こらないよう避けることは、得てして、2人の関係にとって有害だ。それよりも、この研究のような振り返りを行うことで、カップルは互いに向き合えるようになり、対立を「対処すべき課題」として客観的にとらえるようになる。その結果、自分vs相手という態度が抑制され、たとえ対立のさなかにあっても、自分たちはチームだという思いが強まる。
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また、2021年に6月に発表された研究では、カップルが体験する関係の質、さらに関係の意義を高める「マインドフルなパートナリング」の役割が明確にされている。

論文筆頭著者のナターシャ・セイターは、以下のように述べている。「カップルの双方が、人との関係においてマインドフルである場合、それぞれが目の前にいる相手に集中し、互いの感情を認識して気遣う。対立が起きても、衝動的に反応する前にひと呼吸を置いて、互いを思いやると同時に、自分自身をも思いやる」

実際、精神的に支え合い、共感や思いやりを示し合い、自分たちの問題解決力について前向きな意見を述べ合うことで、カップルは、助け合いながら問題を解決できるようになり、ひいては自己効力感が向上することが、2019年に発表された研究で示されている。それとは対照的に、カップルが無反応だったり、敵対的であったり、批判的であったりすると、関係への満足感が大幅に低下し、対立が悪化してしまう。
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さらに、対立のあとにパートナーにどう対応するかということも、2人の仲直りの仕方に影響を及ぼす。2020年の研究によれば、対立解消後のカップルが、感情的に立ち直る上で役立つ行動の一つが、「積極的に関係修復しようとする試み」だという。つまり、対立における自らの行動を認め、謝罪したり、新しい見方を理解しようと努めたりするということだ。

マインドフルネスを高める練習や、ジャーナリング(自分の思考や感情を書き出していく手法)は、異なる見方を理解したり、苦しみを和らげたり、対立から学んだり、相手を許したりする上で役に立つ。

こうした手法は、日常のささいな問題に対処する上で特に効果的だし、健全で回復力のある関係を、長期にわたって築いていくための土台作りにもなる。ただし、より深刻で、根強く残る問題を抱えているなら、カップル向けセラピストの助けを求めるのも一案だ。根深い問題を乗り越えられるよう、導いてもらえるかもしれない。

総合的に言えば、カップルはマインドフルネスを取り入れることで、絶えず共に進化し、協力して困難を乗り越えられるようになる。対立が生じてもそれを、成長とつながりの機会としてとらえ始めるようになるだろう。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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