色鮮やかなクロコダイルのハンドバッグで知られるブランド「NANCY GONZALEZ(ナンシー・ゴンザレス)」の創設者であるナンシー・ゴンザレスは昨年、マイアミの連邦裁判所で2件の密輸罪と1件の共謀罪を認めた。
検察は、彼女が絶滅の危機に瀕した野生生物種の取引に必要な輸入許可を得ずに、コロンビアから米国にハンドバッグを運んだり、業者に運ばせたとして起訴した。
司法省によれば、ゴンザレスが密輸で告発されたニシキヘビとカイマンと呼ばれる種類のワニの革は、絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引に関する条約の規則によって保護されており、彼女はこの規則に従わなかったという。
検察当局は、ゴンザレスがコロンビアで逮捕され米国に送還されるまでに、数十人の運び屋を使って商品を密輸したと推定しているとAP通信は報じている。
ゴンザレスはこの罪ですでにコロンビアの刑務所に14カ月服役しており、この服役期間は米国での刑期から差し引かれることになると、彼女の弁護士のサム・ラビンはフォーブスに語った。
ラビンは、ゴンザレスの犯罪が「刑事事件に相当しない」と主張し、今回の判決が「成功した女性とその企業を廃業に追い込むものだ」と付け加えた。彼は、ゴンザレスのハンドバッグのうち許可を得ずに輸入されたものは、全体の1%にも満たないと昨年のWomen's Wear Dailyの取材に語っていた。
コロンビア生まれのゴンザレスは、1998年にニューヨークの高級百貨店バーグドルフ・グッドマンでわずか8点からなる最初のコレクションをデビューさせた。同百貨店のバイヤーたちは、裁判所に提出したメモの中で、ゴンザレスは「小柄だが力強い女性」であり、「第三世界の国から初めてラグジュアリー分野のハイエンドのファッション企業を立ち上げた人物だ」と記している。
彼女のバッグは2000年代初頭に、ブリトニー・スピアーズやヴィクトリア・ベッカム、エヴァ・ロンゴリア、ヴァネッサ・ハジェンズ、ヘイデン・パネッティーアといったスターたちに愛用された。また、商品は映画『セックス・アンド・ザ・シティ』や『プラダを着た悪魔』のスクリーンにも登場している。ゴンザレスのバッグは当初数千ドルで販売され、Consigned DesignsやReal Realなどの委託販売店では、中古品が250ドルから1100ドルで出品されている。
(forbes.com 原文)