ケリングは、今年上半期の営業利益が40〜45%減少するとの見通しを示している。同社の売上の約半分と利益の3分の2以上を占めるグッチの売上高は、アジア太平洋地域の不振によって18%減の22億ドルに減少した。
ケリングのグループ全体の売上高の35%は、日本を除くアジア太平洋地域からのもので、同社は特に、中国の消費者がグッチのベルトやハンドバッグの購入を控えたことによる打撃を受けている。
ファッション業界ではここ数年、「クワイエット・ラグジュアリー」と呼ばれるトレンドが浮上したが、これはグッチが長年打ち出してきた派手なマキシマリストな世界観の対極にあるものだ。そのためグッチは、大規模な改革を進めており、2022年に新たなクリエイティブ・ディレクターを任命し、2023年には新CEOを任命した。
一方、ケリングの最大のライバルで、ルイ・ヴィトンを擁するLVMHが16日に発表した第1四半期の売上高は、前年同期比3%増の220億ドルだった。
ケリングは先月、グッチの第1四半期の売上が約20%落ち込むという厳しい見方を示したことで、株価を急落させた。同社の株価は、3月20日のパリ株式市場で一時14%安と、2020年3月以降で最大の下落幅を記録。時価総額81億ドルが吹き飛んでいた。
ケリングは、中国市場の消費者の嗜好の変化により、同業他社よりも大きな打撃を受けている。同社の傘下のグッチは、かつて活況を呈した中国の高級品市場の低迷と、消費者の「クワイエット・ラグジュアリーへの移行」という2つの課題に直面している。近年の消費者は、グッチが長年打ち出してきたような派手なマキシマリスト的なテイストよりも、エルメスやプラダのような控えめでエレガントなものを好むようになっている。
さらに、中国市場の階層化が進んだことも、グッチの苦境の一因だ。超富裕層はエルメスのようなラグジュアリーブランドに惹かれる一方、以前はグッチの主要な購買層だった中間層の消費者は現在、経済的圧力に直面している。「中国市場は二極化しつつある。これはケリングが中国でのグッチの業績について警告していることと一致している」とバークレイズのアナリストは顧客向けメモに書いている。
(forbes.com 原文)