米国時間4月22日に発表されたマリストの世論調査で、二者択一の場合にどちらに投票するかという問いに対するバイデンの得票率は51%で、トランプ(48%)を3ポイント上回った。また、ここにロバート・F・ケネディ・ジュニアや緑の党のジル・スタイン、無所属のコーネル・ウェストを加えた場合のバイデンの得票率は43%で、トランプ(38%)を5ポイント上回った。
21日に発表されたNBCの世論調査で、両者の得票率は、一騎打ちの場合バイデンが44%、トランプが46%と、トランプが2ポイントリードしていたが、ここに3人の独立系候補を加えた場合は、バイデンの得票率は39%と、トランプ(37%)を2ポイント上回る結果になっていた。
モーニング・コンサルトの最新世論調査(4月19〜21日実施)でも、バイデンがトランプを1ポイントリードしていた。前回の調査ではトランプが2ポイントリードしていたが、「トランプが一貫してリードしていたスーパーチューズデー前よりも接戦になっている」と同社は述べている。
トランプのバイデンに対するリードは1月末から4ポイント以上減少し、現状では0.2ポイントであることがRealClearPoliticsの世論調査トラッカーで示されている。エコノミストの世論調査トラッカーによると、両者の支持率は4月5日以降に同率となっている。
今月発表されたRealClearPoliticsの世論調査平均に含まれている13の世論調査のうちの6つの調査で、バイデンの支持率はトランプを上回る、もしくは同率となっている。このことは、バイデンが24の世論調査のうちの13の調査でトランプを上回る、もしくは同率だった3月からのトレンドが継続中であることを示している。
裁判に追われるトランプ
バイデンはここ数カ月、選挙戦のスケジュールと資金集めを強化する中で、支持を高めている。一方、トランプは裁判への対応で手がいっぱいで、バイデンに比べて公的なイベントを開催する回数が圧倒的に少ない。このような接戦のレースでは、無所属で立候補しているケネディ・ジュニアの動向が選挙戦を左右する可能性がある。過去の世論調査では、彼の出馬はトランプよりバイデンを不利にするとの結果が多かったが、最近の調査は、彼がトランプを不利にすることを示唆している。
一方、世論調査では、バイデンと民主党全体が黒人やラテン系、若年層を含む主要層からの支持を失っていることが示唆されている。先週発表されたハーバード・ユースの世論調査によると、18歳から29歳の層のバイデンの支持率はトランプを8ポイントリードしているが、2020年の大統領選挙前の同時期のバイデンのリードは23ポイントだった。
NBCの世論調査によると、今年の選挙に「非常に関心がある」と答えた有権者は64%で、これは20年ぶりの低さだ。トランプは、選挙戦の中心を自身の法的問題に置き、バイデンの意向で検事や判事が彼の選挙での勝利の可能性を損なうために動いたと非難しているが、その考えが真実であることを示唆する証拠はない。
一方、バイデンはトランプが民主主義への脅威だと断じ、2021年1月6日の米議会議事堂の暴動に彼が果たした役割を非難し、ロー対ウェイド判決を覆すことに票を投じた最高裁判事の任命についてもトランプを非難している。移民問題も選挙の中心的な争点となっており、バイデン政権下では移民の国境通過件数が過去最高を記録し、議会は新たな国境管理について合意に達していない。
(forbes.com 原文)