アプリが提供しやすい環境をつくる
没入体験型のアプリやサービスが揃うメタの公式ストアは、名称を「Meta Questストア」から「Meta Horizonストア」に変更する。さまざまな没入体験を形にするためのフレームワークや、既存の2Dモバイルアプリを3Dに変換するためのデベロッパ向けツールもこれから順次揃える。ラブキン氏は具体的な指標を示さなかったが、今後は基本的な技術的要件とコンテンツ要件さえ満たしていれば、外部デベロッパがMeta Horizonストアにコンテンツを供給しやすい仕組みもつくる。アプリを充実させる目的で、メタが公式ストアの外に設けていた「App Lab」という、外部デベロッパが試験的にアプリを公開できるセクションとの垣根も取り払う。
今後はHorizon OSを「世界最高の空間/ソーシャルOS」に位置付けるという。Xbox Cloud GamingやSteam Linkのようなゲームストリーミングサービス、PC向けのアプリケーションをMeta Questで楽しむためのAir Linkなども、メタの公式ストア以外から、ユーザーがコンテンツを見つけて楽しめる動線も開放する。
さらにラブキン氏は、今後グーグルがGoogle Playの2DアプリストアをHorizon OSに開設することを決定した場合は「これを大いに歓迎したい」と熱く呼びかけた。それはとりもなおさず「ユーザーがしたいこと」に寄り添いかなえるためだ。
生成AIによる開発支援ツールを1年以内に提供
今年アップルのvisionOSが始動した。年初にはサムスンがグーグルと半導体メーカーのクアルコムと連携して、次世代のXR体験を共創することを発表した。外部のデベロッパに対して、メタは「Horizon OSの魅力」をどのようにアピールできるのだろうか。ラブキン氏は「プラットフォームに多くのユーザーを集めること」が大事としながら、「デベロッパには多くのユーザーにプロダクトやサービスを使ってもらい、フィードバックが得やすい環境を提供したい。経済的なメリットはその後から付いてくる」と強調する。
生成AIを使ってデベロッパを支援するツールも開発を始めているという。メタにはプログラミングコードを自動生成する言語モデル「Code Llama」がある。生成AIの技術を活用すれば「プログラミングの知識がない方も、Horizon OSのプラットフォームにアプリやサービスを開発して提供できる」というラブキン氏は、このようなツールを「1年以内に開発してユーザーに届けたい」と見通しを語った。