レポートによると、第1四半期の中国におけるスマホ出荷台数におけるiPhoneのシェアは15.7%で、前年同期の19.7%から縮小した。
プレミアム価格帯でアップルの主要なライバルである中国メーカーのファーウェイは、画期的なチップを搭載した5G対応のMate 60シリーズの販売が好調で、第1四半期の出荷は前年同期比69.7%増となり、力強い復活を遂げた。
アップルの市場シェアはファーウェイの15.5%をわずかに上回ったものの、前年同期の1位から3位に転落。トップは中国ブランドのVivo、2位はファーウェイの元子会社であるHonorだった。
米ブルームバーグ通信は、アップルの第1四半期の出荷台数は2020年以来の落ち込みだと報じた。
フォーブスはアップルにコメントを求めている。
カウンターポイントのシニアリサーチアナリスト、アイバン・ラムは「プレミアム価格帯を展開するアップルはファーウェイ復活の影響をダイレクトに受けたため、第1四半期の出荷は低迷した。加えて、アップルの買い替え需要は、従来と比べてやや落ち着いている」と述べた。
1週間前には、米調査会社IDCが第1四半期の世界のiPhone出荷台数は前年同期比9.6%減だったと発表。アップルはライバルの韓国サムスン電子に首位の座を明け渡した。出荷台数はサムスンが6010万台、アップルは5010万台だった。
iPhoneの出荷は大幅に落ち込んだ一方で、世界のスマホ出荷台数は中国ブランドが好調だったことを受けて7.8%増加した。中国のシャオミの出荷台数は自国マーケットでは6位だったが、世界では前年同期比33.8%増の4080万台と大幅に増やし、サムスン、アップルに次ぐ3位だった。
アップルは2024年初めの時点では世界で最も時価総額の大きい企業だったが、このところ悪いニュースが続いている。2月には、10年ほど前から水面下で進めてきた自動運転技術の開発を断念したと報じられた。また、投資家からは同社が人工知能(AI)に関してマイクロソフトやグーグル、メタといったライバルに遅れをとっているのではないかとの懸念が示されている。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は先月、アップルがiPhoneにグーグルのAI技術「Gemini」を搭載する方向で同社と協議していると報じた。また、競合他社や消費者に不利益をもたらしているとして、アップルは同月、米司法省と同国の複数の州から反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで提訴された。
アップルの株価は年初来10%超下落している。
(forbes.com 原文)