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2024.05.17 10:15

東日本のハブ。さいたま市長に学ぶ「ポストSDGs」

東日本連携・創生フォーラム

さいたま市はSDGsの取り組みを推進するなかで「東日本連携・創生フォーラム」を立ち上げた。同市が音頭を取り、東日本の各新幹線沿線自治体の首長に参集を仰いで形成するフォーラムだ。

2015年の北陸新幹線延伸と2016年の北海道新幹線開業をきっかけにスタートした取り組みで、各都市の連携による地方創生と地域の活性化を狙う。国の関連機関、商工団体関係者、JR東日本なども参加する官民連携のフォーラムだ。第1回は2015年10月26日。当時の参加地域は、13都市+オブザーバー参加が4都市のみだったが、23年の第9回では30自治体にまで増えた。

清水市長はその狙いについて、次のように説明する。

「さいたま市は、大宮という新幹線の『交通の結節点』という強みを生かし、『ヒト、モノ、情報』の対流を生み出しています。本フォーラムは、広域連携による地方創生を目指す『この指とまれ方式』です。東京一極集中の是正や地域経済活性化のため『交流人口』の拡大を図るという狙いもあります」

さらに、東日本連携の拠点として、大宮駅前に東日本連携センター「まるまるひがしにほん」を開設。2022年度は92万人もの来場者があり、「ヒト・モノ・情報」の交流促進を行った。

市長によると、さいたま市に拠点を設ければ、東日本全体をビジネスエリアとすることができる。東京、神奈川、千葉、埼玉といった都心エリアの1都3県に、大宮と新幹線でつながる道県の人口を足すと、日本全体の約50%にもなる。

さいたま市がけん引し、経済活性化の起爆剤として新幹線を軸に市域・県域を越えた広域連携を実現するこのフォーラムは、今後の広域連携のモデルである。

新たなさいたま市の創造

こうした取り組みによって同市の魅力が高まり、「SUUMO住みたい街ランキング2024 首都圏版」では、大宮が2位、浦和が10位にランクインした(1位は横浜)。大宮は3年連続トップ3で、今回は過去最高順位となった。同じ埼玉県内の浦和もトップ10に返り咲いている。
※この調査は、リクルートが首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)に居住している20歳~49歳の9335人を対象に実施し、 2024年02月28日に公開したものである。

市長は「市がこれまで育んできた環境、健康、スポーツ、教育、交通の要衝、災害に強いなどの魅力に一層磨きをかけて、”さいたま市らしさ”を深化させてきた成果ではないか」と自信をのぞかせる。

市のホームページでは、市長は次のように発信している。

「市の人口がピークを迎えると予想される2035年までの『シンカの10年」を作り上げていきたい。『シンカ」には3つの意味がある。1つは進める『進化』、2つ目は深める『深化』、そして3つ目は真の価値の『真価』だ」

さいたま市は、”シンカ”のための地歩を固めつつあると評価できる。
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文=笹谷秀光

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