サントリーグループで広報やコンサルティング業務などを行うサントリーパブリシティサービス(SPS)は、今年の1月から3月にかけて、大阪府茨木市の茨木市文化・子育て複合施設「おにクル」にて、そのリモート接客サービスの実証実験を行った。同施設の1階受付、3階エレベーター前、7階交流スペースに端末を設置。オペレーターは各1名が東京の自宅から対応した。
実験期間中、1000人以上がこのサービスを利用した。そのうち420人が回答したアンケートによると、満足度は77パーセントが「使いやすかった」、19パーセントが「やや使いやすかった」と、じつに96パーセントが高く評価した。使用の感想は、「待ち時間が少ない」(44パーセント)、「説明がわかりやすい」(24パーセント)、「階を移動しなくてよいので便利」(18パーセント)などと好評だった。同施設には無人の階があり、案内を求めるには、普段は職員がいる階に移動しなければならない。
このシステムには、翻訳、テキスト表示、カメラによる画面共有などの機能があり、施設運営やコンサルティング経験で培ってきたSPSの知見が活かされている。一方、オペレーターはリモートなので1人で複数箇所の利用者に対応できる。有人受付の混雑緩和にも役立った。今回は子育て中の元職員も参加するなど、多様な働き方の可能性も試された。つまり、利用者にとってもサービス提供者にとっても、有意義な仕組みということだ。
茨木市市民文化部共創推進課の担当者は、「このサービスの魅力は、AIではなく、裏に人がいるという安心感だと思います。そのコミュニケーションがあることで、接客をより特別なものにしていると感じています」と話している。
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