大阪大学大学院工学研究科の松﨑典弥教授とTOPPANホールディングスは、3D細胞培養技術「invivoid」(インビボイド)を共同開発した。コラーゲンマイクロファイバーなどの独自材料を使って2種類以上の細胞の動きや位置を制御しながら生体を模倣できるというものだ。その研究に一般財団法人糧食研究会、明治が加わり、「乳汁様物質合成機能を有する三次元の乳腺組織」を作製する技術を開発した。本物の乳腺と同じく、ホルモンに反応して乳タンパク質のカゼインを合成できる組織だ。
invivoidは、乳腺の管腔構造(中に母乳が流れる管がある)もきちんと作ることができる。また、コラーゲンマイクロファイバーを組織構築の足場に用いることで、それを使わない場合と比較して約2倍ものカゼイン合成率を達成できたとのことだ。
今後は、ヒトの母乳の成分に近い乳汁様物質をつくる乳腺組織を体外で作る技術を構築し、再生医療のみならず、培養食料分野への発展も目指す。
プレスリリース