ウェブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブスは19日、「最高経営責任者(CEO)イーロン・マスクとテスラにとって正念場だ」と顧客へのメモに書いた。「長年のテスラ信奉者の多くが諦めている」とも指摘した。テスラに関して長らく強気な見方を示してきたアイブズがつけた300ドルという目標株価は、ファクトセットが追跡しているアナリストの中で最高値だ。
株がファンダメンタルズに比べて過大評価されるのは、賢い賭けだと市場が考える何らかの理由が反映されるからだ。要するに、テスラへの投資の要件はここ数カ月で変化したと専門家は考えている。当初、投資家らはテスラの根幹を成すEV事業に魅力を感じていたが、今では同社の人工知能(AI)分野での長期的な取り組みや、自動運転車を活用した野心的なロボタクシーサービスで同社が大躍進を遂げると信じる人にとって魅力的な投資先となっている。
テスラが資本を最大限活用しながら2015年に5万台だったEV販売台数を2023年には180万台へと増やしたことを考えれば、野望を実現できると考えるのはもっともだ。だが目標達成には多くの投資家が望むよりはるかに時間がかかる。例えば、ドイツ銀行のアナリストらはこのほど、ロボタクシー事業でテスラが2020年代末までに150億ドル(約2兆3200億円)の粗利益をあげる可能性があると予測したが、実現するには「技術、規制、運営面での重大な課題」を解決する必要があるとの見方を示した。
(forbes.com 原文)