2021年には過去最高の626人がランクインしていたが、今年は406人で、前年の495人からも減少している。パンデミックと地政学的な緊張の継続が株価を押し下げ、世界第2位の経済大国である中国の経済成長に打撃を与えた結果だ。また、不動産市場の低迷も深刻化した。
それでも、中国本土の億万長者の数は、今年813人の億万長者を擁する米国に次いで世界第2位である。
この記事でいう「中国本土」には香港とマカオのパスポート保持者は含まれていない。これらの億万長者を含めると、中国全体の億万長者数は473人となり、2023年の562人、2022年の607人、2021年の698人から減少している。
中国の億万長者がもつ総資産の合計は、昨年の1兆6700億ドル(約258兆円)から1兆3300億ドル(約205兆円)に減少した。2022年の1兆9600億ドル(約302兆円)、2021年の2兆5000億ドル(約386兆円)と比べても少ない。
昨年のリストからは125人の中国人が脱落したが、31人の新人と11人の復帰組(過去にリスト入りし、脱落した後、再びリスト入りしたメンバー)がいる。
上位10人の総資産の合計は3040億ドル(約47兆円)で、2023年の3110億ドル(約48兆円)からわずかに2%減少した。中国本土の億万長者は現在、世界の億万長者の15%を占め、その総資産の9%を占めている。
4年連続で首位を獲得したのは、中国ボトル入り飲料大手、農夫山泉(ノンフー・スプリング)創業者兼董事長(会長)の鍾睒睒(チョン・サンサン)だ。中国の混乱した文化大革命の最中に小学校を中退したという経歴をもつチョンの推定資産は623億ドル(約9兆6000億円)で、1年前の680億ドル(約10兆5000億円)から減少。世界ランクでは、昨年の15位から24位にランクダウンした。