中国のトップ10のうち、この1年で資産を減らしたのは6人。他の4人は、厳しい1年であったが、なんとか資産を増やすことに成功した。後者の中で特筆すべきは、ナスダック上場の中国eコマース企業、PDDホールディングス創業者の黄崢（コリン・ファン）で、彼の資産は前年から80億ドル（約1兆2000億円）以上増加し、今年の推定資産総額は389億ドル（約6兆円）に達した。PDDの株価は、同社が提供する格安eコマースサイトTemuの米国リリースが成功したことを受けて、この1年で30％近く上昇した。
中国の富豪トップ10（純資産は2024年3月8日現在）
10. 王伝福（ワン・チュアンフー）／142億ドル（約2兆1000億円）
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中国EVメーカーのBYDで董事長を務めるワン・チュアンフーは、浙江吉利控股集団の李書福（リー・シューフー）に次ぎ、中国EV業界で2番目の富豪となった。グローバルな事業拡大にともない、同社の出荷台数は過去最高の300万台に達した。しかし、BYDの株価はテスラや、小鵬汽車（XPeng）などの中国メーカーとの厳しい価格競争の中で下落した。
9. 秦英林（チン・インリン）／155億ドル（約2兆3000億円）
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養豚業を営み、世界で最も裕福な起業家の1人であるチン・インリンは、1年前の189億ドル（約2兆9000億円）から155億ドル（約2兆3000億円）に資産が縮小したもののトップ10入りを果たした。豚肉価格の下落とパンデミックによる影響により、チンが経営する牧原食品股分有限公司（ムーユエン・フーズ）の株価は下落し、2023年の決算では赤字が予想されている。
8. 李書福（リー・シューフー／エリック・リー）／168億ドル（約2兆5000億円）
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中国の自動車業界で最も裕福な起業家であるリー・シューフーは、ボルボ、ダイムラー、吉利汽車、ジークル、ポールスターなどの自動車メーカーを束ねる浙江吉利控股集団の董事長を務めている。彼の資産は、業界の過剰生産能力に対する懸念から吉利汽車の株価が下落したため、昨年の190億ドル（約2兆9000億円）から168億ドル（約2兆5000億円）に減少した。
7. 馬雲（ジャック・マー）／245億ドル（約3兆7000億円）
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アリババグループの創業者で元董事長のジャック・マーはかつてこのランキングの首位の座に君臨していた。中国人にとって民間セクターの成功の象徴であったマーは、2020年に中国の国営銀行制度について物議を醸す発言をして以来、ほとんど公の舞台に現れていない。マーがアリババの董事長を退任後、同社は苦戦を強いられており、9月には共同創業者の蔡崇信（ジョー・ツァイ）が董事長に就任。1月には総額2億ドル（約307億円）の自社株買いも発表している。アリババの金融サービス部門であるアントグループの株価が上昇したため、マーの資産額は1年前の235億ドル（約3兆6000億円）から245億ドル（約3兆7000億円）に増加した。
6. 何享健（ホー・シアンジェン）／251億ドル（約3兆8000億円）
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ホー・シアンジェンは、中国家電大手、美的集団の創業者で元董事長である。美的集団の株価はパンデミック時の最安値から回復し、彼の資産は昨年の234億ドル（約3兆6000億円）から増加した。それでも、今年の推定資産251億ドル（約3兆8000億円）は2022年の283億ドル（約4兆3000億円）から減少している。美的集団からは現CEOである方洪波（ポール・ファン）もランクインしている。
