ビジネス

2024.04.19 17:00

ネットフリックス、会員数930万人増で過去最高の増収増益

Ruggiero Scardigno / Shutterstock.com

米動画配信サービス大手ネットフリックスが米国時間4月18日に発表した第1四半期決算は、会員数が再び爆発的な増加に転じ、市場予想を上回る増収増益となった。ただ、アカウントの共有を禁止した効果がいつまで続くのか疑問視する声もある。

第1四半期の売上高は約94億ドル(約1兆4500億ドル)、1株当たり利益は5.28ドル(約815円)で、過去最高の増収増益を記録した。

おそらく最も印象的なのは、新規会員数が930万人の純増となり、市場予想を約70%上回ったことだろう。全世界の加入者数は約2億7000万人で、過去最多を更新した。

しかし、第2四半期は業績が減速する見通し。売上高予想は約95億ドルと、米調査会社ファクトセットのコンセンサス予想をわずかに下回っており、希薄化後1株当たり利益も4.68ドルに減少すると予想されている。

調査会社モフェットネイサンソンのアナリスト、マイケル・ネイサンソンは、「(米国とカナダでは)ネットフリックスに加入していない世帯が減る一方だ」と指摘。ローゼンブラット証券のアナリスト、バートン・クロケットは、「アカウント共有(禁止)の最大の影響はすでに過ぎた」との見方を示した。

ネットフリックスの株価は決算発表直後に約3%下落したが、年初来では大きく上昇を続けており、過去6か月間では75%以上値上がりしている。

時価総額を年間売上高で割った株価売上高倍率(PSR)と、株価を1株当たり利益で割った株価収益率(PER)は、いずれも2022年初頭以来の高水準にあり、業界平均を大きく上回っている。だがネイサンソンは、ネットフリックスは「ストリーミング戦争のまぎれもない勝者」であり、市場支配力の高さを魅力と感じる投資家心理を強く反映したものだと指摘した。

ここ数年はネットフリックスの投資家にとって波乱万丈の展開が続いていた。株価は2020年に底値を付けた後、2021年11月に700ドルを超えて史上最高値を記録。しかし、2011年以来初となる四半期加入者数の減少を受け、2022年には163ドルまで急落した。ただ、その後の2年間は上り坂を着実に登っており、2023年に加入者数、売上高、利益とも過去最高を記録。アカウント共有を制限し、より安価な広告付きプランを開始したのと時を同じくして、安定した成長株となっている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事