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2024.04.20

ソニーとアポロ、パラマウントの共同買収に向け協議開始か

rafapress / Shutterstock.com

ソニーと投資会社のアポロ・グローバル・マネジメントが、パラマウント・グローバルの共同買収について話し合いを進めていると、複数の報道機関が報じた。このニュースが伝わった米国時間4月18日の時間外取引ではパラマウントの株価が約12%上昇した。

ソニーとアポロはパラマウントの共同買収に向けてタッグを組むことを検討していると、ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。ただし、両社とも正式な買い付けは行っていないという。

ニューヨーク・タイムズ紙は事情に詳しい関係者2人の話として、ソニーとアポロは共同入札によりパラマウントの株式を現金で買い取り、同社を非公開化する方針だと報じた。

今回の共同入札の可能性が報じられたのは、億万長者ラリー・エリソンの息子デヴィッドが設立したスカイダンス・メディアが、シャリ・レッドストーンの所持する大量のパラマウント株式を買収する暫定合意に達してから約2週間後のことだ。

レッドストーン一族の企業であるナショナル・アミューズメンツは、パラマウントの議決権の77%を保有している。

スカイダンスがナショナル・アミューズメンツの株式を現金で提供するのとは異なり、ソニーとアポロは今回の買収でナショナル・アミューズメンツを買収することは考えていない、とブルームバーグは報じている。

ソニーとパラマウントの担当者からのコメントは得られていない。

パラマウントの株価は、買収の可能性に関するニュースに対して、何度も好反応している。今月上旬にはスカイダンスが同社との合意に近づいているとの報道で約15%急騰し、12月にはレッドバード・キャピタルとスカイダンスが買収を検討しているとの複数の報道を受けて12%以上上昇した。

アポロのCEOであるマーク・ローワンの純資産は64億ドル(約9857億円)と推定されている。

アポロは先月末、パラマウントに270億ドル(約4兆1500億円)という巨額の買収提案を行ったが、パラマウントの取締役会が設置した合併・買収検討委員会はこの提案を検討しないことを決定したと報道された。

この270億ドル(約4兆1500億円)の買収提案は、スカイダンスが目指しているナショナル・アミューズメンツが所有する議決権付株式の買収戦術とは異なる。スカイダンスが株式を取得すれば、パラマウントを完全に買収することなく同社の支配権を獲得できる可能性がある。しかし、ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、スカイダンスによる株式取得の提案は、複雑な取引交渉を残す可能性があるという。パラマウントが、昨年末時点で146億ドル(約2兆2500億円)の負債を抱えていたからだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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