ヘルスケア

2024.04.19 12:00

鳥インフルのヒトへの感染「大きな懸念」 WHO、高い致死率に言及

テキサス州の保健当局は今月、鳥インフルエンザへのヒトの感染例を報告した。患者は、鳥インフルエンザに感染したとみられる乳牛と接触していた。米国でヒトのH5N1型ウイルス感染が確認されたのは2022年のコロラド州の患者に続き2例目。

ファーラーは、米国の乳牛間での感染も「非常に懸念される」とし、ウイルスがさまざまな経路で感染するように進化を遂げる可能性もあるとして、保健当局に引き続き状況を注意深く監視するよう求めた。米国ではテキサスやアイダホ、ミシガンなどいくつかの州で、鳥インフルエンザへの牛やヤギの感染が確認されている。

米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の感染症の専門家ナターシャ・スポティスウッドと生化学者のジョー・デリーシは、鳥インフルエンザがヒトの間で広がっている証拠はない以上、鳥インフルエンザのパンデミックが起こる可能性は低いのではないかとの見方を示している。一方で今後、ウイルスが変異してヒトの間で感染するようになる可能性もあるので、注意を払う必要はあるとも語っている。

鳥インフルエンザのパンデミックが実際に生じた備え、米食品医薬品局(FDA)はヒト用のワクチンを少数ながら承認している。そのため米国は少量のワクチンは確保できるが、すべての国民を守れるほどの供給体制にはなっていない。米政府はヒトでの流行が発生すればこれらのワクチンを量産する方針だが、全国民分を用意するには少なくとも半年はかかるとみられている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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