1988年生まれのふたりがオーガニックスーパーを共同プロデュース。100%自然・天然由来にこだわったプロジェクトを通じて10年後をどう描くのか。
「みんなで一緒につくり上げていくロングプロジェクトのはじまり」。そう話すのは、ロックバンド「ONE OK ROCK」のボーカルTakaとONPA JAPAN 代表取締役の恩地佑亜だ。2024年3月、共同で立ち上げたオーガニックスーパー「15/e organic(フィフティーンオーガニック)」をオープンした。自然栽培の食品と100%天然由来のコスメ・サプリだけを取り扱うスーパーで、構想から約3年をかけて実現させた。
20代から親交があるふたりだが、なぜオーガニックスーパーを立ち上げたのか。それぞれ食に対する意識が変化した転機があったという。Takaは海外ツアー期間中のバス生活。「1カ月以上バスで移動をするので、食べる料理も偏りがち。10年以上続けきて、食べるものによっては扁桃腺が腫れたりと、食事が体力やパフォーマンスに影響することを実感した」という。一方、食には無頓着だった恩地も、Takaの影響や30代になってからの体調の変化、身内の大病などをきっかけに食事への意識が変わっていったという。
「100%体に害がない食生活をするのは難しい。だから週に5日働いて2日休むように、体にも土日をつくる感覚でよいものを摂取する日を設けたい」(Taka)。「そんなときに安心できるものが集まった場所をつくろうと思ったのが今回のプロジェクトの始まりです」と恩地は振り返る。
2021年5月にプロジェクトをスタートさせ、店名には、earth, environment, ecologyなど15個の「e」から始まる言葉を大切にするという意味を込めた。そのコンセプトのもと、過去2年以上農薬不使用の農地で栽培していることや合成添加物を入れていないなど100%自然由来・天然由来にこだわった独自の基準を設け、ふたりで一つひとつ味を確かめながら商品を選定。「周囲から不可能と言われても、時間がかかっても基準を貫きました」と話す恩地は、その信念のもと、全国の農家へ足を運び、3年かけて商品を揃えた。