「みんなで一緒につくり上げるプロジェクト」ONE OK ROCK・Takaの10年後への挑戦

Taka・恩地佑亜|15/e organic

Forbes JAPAN 2024年6月号は、世界を救う希望「NEXT100」特集。「多彩な新・起業家たち100人」にフォーカスした企画だ。地球規模から社会、地域まで様々な課題に対して、アントレプレナーシップを持ち、「自分たちのあり方」と「新手法」で挑む起業家やリーダーたち100人を「NEXT100」とした。独自のスタイルや美意識で新たな価値指標をつくりながら、多くの人とともに社会的・経済的インパクトを出している人こそ、これからの世界の希望になる。「よき未来のための、新しいクレイジーな人たち」に注目だ。 

1988年生まれのふたりがオーガニックスーパーを共同プロデュース。100%自然・天然由来にこだわったプロジェクトを通じて10年後をどう描くのか。


「みんなで一緒につくり上げていくロングプロジェクトのはじまり」。そう話すのは、ロックバンド「ONE OK ROCK」のボーカルTakaとONPA JAPAN 代表取締役の恩地佑亜だ。2024年3月、共同で立ち上げたオーガニックスーパー「15/e organic(フィフティーンオーガニック)」をオープンした。自然栽培の食品と100%天然由来のコスメ・サプリだけを取り扱うスーパーで、構想から約3年をかけて実現させた。

20代から親交があるふたりだが、なぜオーガニックスーパーを立ち上げたのか。それぞれ食に対する意識が変化した転機があったという。Takaは海外ツアー期間中のバス生活。「1カ月以上バスで移動をするので、食べる料理も偏りがち。10年以上続けきて、食べるものによっては扁桃腺が腫れたりと、食事が体力やパフォーマンスに影響することを実感した」という。一方、食には無頓着だった恩地も、Takaの影響や30代になってからの体調の変化、身内の大病などをきっかけに食事への意識が変わっていったという。

「100%体に害がない食生活をするのは難しい。だから週に5日働いて2日休むように、体にも土日をつくる感覚でよいものを摂取する日を設けたい」(Taka)。「そんなときに安心できるものが集まった場所をつくろうと思ったのが今回のプロジェクトの始まりです」と恩地は振り返る。

2021年5月にプロジェクトをスタートさせ、店名には、earth, environment, ecologyなど15個の「e」から始まる言葉を大切にするという意味を込めた。そのコンセプトのもと、過去2年以上農薬不使用の農地で栽培していることや合成添加物を入れていないなど100%自然由来・天然由来にこだわった独自の基準を設け、ふたりで一つひとつ味を確かめながら商品を選定。「周囲から不可能と言われても、時間がかかっても基準を貫きました」と話す恩地は、その信念のもと、全国の農家へ足を運び、3年かけて商品を揃えた。
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文=川上みなみ 写真=ヤン・ブース

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年6月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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