音楽

2024.04.18

ポール・マッカートニー、歌詞の「盗用」を認める ビートルズの曲で

Debby Wong / Shutterstock.com

ポール・マッカートニーは、史上最も才能があり、成功したソングライターの1人として知られている。彼はスーパースターとしての数十年のキャリアの中で、数え切れないほどのヒット曲や愛される名曲を書き、ある時は共作してきた。しかし、偉大な人物でさえも他人から借りてしまうことがある。元ビートルズのメンバー、マッカートニーも例外ではない。

彼のポッドキャスト『ポール・マッカートニー:A Life in Lyrics』(iHeartPodcastsとPushkinの共同制作)の最新エピソードで、マッカートニーは彼ですら他のソングライターの影響を受けていることを認めた。そしてある特定の曲の中で、彼は誰かの影響を受けたり、インスピレーションを得たりしたというよりも、誰かの歌詞を「盗んで」、自分の目的のために使ったのだ。

「ぼくがコーラスとして使った部分は、古いビクトリア朝の歌の歌詞なんだ」とマッカートニーはポッドキャストで語った。彼が言及した曲は、ビートルズが1969年9月にリリースした『ゴールデン・スランバー』のことだ。

マッカートニーのポッドキャストの共同ホストであり、彼の友人でもある詩人のポール・マルドゥーンは、マッカートニーがたった今発したばかりのコメントを和らげようとした。「これはいわゆるサンプリングと呼ぶものですか?」と彼は尋ねたが、マッカートニーは発言を美化しようとはしなかった。

「まあ、盗用(stealing)っていうんだよ」とマッカートニーは言った。過去の疑わしい行動を隠蔽しようとしたり、それほど厳しくない別の表現にしようしなかったのはすばらしいことだ。マッカートニーは歌詞を盗んだことを把握すており、それについて話すことにオープンだ。他のクリエイターも恐れるべきではない。

マッカートニーは『ゴールデン・スランバー』で使うために古いビクトリア朝の曲から歌詞を引用した経緯を説明した。彼は若い頃に自宅で見つけた原曲について語った。それはずっと昔からあった曲だった。「僕は楽譜を読めないので、これに合うメロディーがどんなものかわからなかったんだ」。楽譜は読めなかったが、歌詞は読むことができたので、マッカートニーは「自分自身のメロディーをつけて、これらの歌詞を使っただけなんだ」と語った。

『ゴールデン・スランバー』はビートルズのアルバム『アビイ・ロード』に収録されている。このアルバムは、彼らの最高傑作の1つであり、ロック史において最も重要な作品の1つと考えられている。

マッカートニーとマルドゥーンのポッドキャストは第2シーズンを終えた。彼らは2023年に『ポール・マッカートニー:A Life in Lyrics』を始め、大好評を博したため、すぐに第2シーズンに踏み切った。第3シーズンが予定されているかどうかはまだわからないが、番組の成功を見れば、彼はこのポッドキャストを続けるかもしれない。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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