テスラ「サイバートラック」、不具合発生で納車に遅延か

Photo by Brandon Bell/Getty Images

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先週、テスラが開発する電動ピックアップトラック、サイバートラックの納車が車両の不具合により一時停止されたと報じた。同紙によるとこの不具合は、アクセルペダルに関連している可能性があるという。

WSJが確認したテスラからのテキストメッセージによると、今週予定されていた一部の納車が4月20日に延期されたという。サイバートラックの購入者が最初に遅延を報告し始めたのは先週で、テスラのファンブログは、アクセルペダルの問題に関連していると報じていた。

サイバートラックのオーナーの一人は、米国時間4月14日にTikTokに投稿したビデオで、この問題を報告した。彼はそのビデオで、運転中にアクセルペダルのカバーが外れて前方にずれたことで、ペダルが戻らなくなったと説明した。

ホセ・マルティネスという名前のこのオーナーは、NBCニュースの記事で「ブレーキを離した瞬間、フルスロットルで飛び出しそうだった」と語ったが、彼は衝突事故を起こす前に車を安全に停止させたという。

テスラはフォーブスからのコメント要請に即座に返答せず、16日時点で納車の遅延を公に認めていない。

米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)はフォーブスに対し、アクセルペダルの問題を認識しており、追加情報を収集するためにテスラと連絡を取っていると述べたが、現時点では正式な調査を開始していない。

サイバートラックの遅延は、世界最大の電気自動車(EV)メーカーであるテスラが直面する別の重大な苦境と重なっている。テスラが1月に発表した決算報告によると、2023年の通年の利益は約40億ドル(約6180億円)で、前年の54億ドル(約8330億円)という記録的な利益から23%減少していた。

また、マスクは15日、テスラの従業員の10%以上削減すると発表し、最後の急成長期に雇用された約1万人を解雇した。

「これほど嫌なことはないが、やらなければならない」とマスクは、社内向けのメモの中で述べていた。「こうすることで、無駄を省き、革新的で、次の成長段階のサイクルに向けてハングリーになることができる」と彼は語っていた。テスラの株価は16日に154ドルまで下落し、2023年4月以来の最安値をつけた。

フォーブスは、世界で3番目に裕福な人物であるマスクの保有資産を1846億ドル(約28.5兆円)と推定している。マスクの富の大半は、スペースXやボーリング・カンパニーといった企業の株式からもたらされている。彼はまた、テスラの約12%を所有している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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