金の延べ棒はコストコのオンラインサイトで購入でき、価格は金の価格に連動して変わる。顧客が購入できるのは2つまで。スーパーマーケットニュースは、コストコの金の延べ棒の販売による利益はわずかだと正しく指摘している。
とあるアナリストは「いいことばかりというわけではない。コストコは金の延べ棒にわずかなプレミアム(おまけ)をつけており、さらに上級会員には2%のキャッシュバックを、シティグループのクレジットカード利用者にはキャッシュバックをもう2%上乗せしている。売上は一般商品の売上に3%ほどプラスになっているが、利益にはあまり結びついていない」と語っている。アナリストは「実際にはそれほど実をともなうものではない」というコメントで締めくくっている。
他にも疑問が浮かぶ。
1. 購入した顧客が金の延べ棒を返品したい場合
コストコは売値で引き取るのか、それとも値上がりしているかもしれない現在の価値で引き取るのか。筆者は、購入後30日以内であれば販売価格で返品するのではないかと考える。返品に関する規約がどのようなものであれ、金の価格が変動した場合、顧客サービスに問題が生じる可能性がある。2. コストコは顧客のために金の延べ棒を保管してくれるか
購入された金の延べ棒は顧客の所有物であり、大きな責任を背負う可能性があることから、保管には消極的だろう。3. コストコは金の延べ棒の品質を保証しているか
販売されている金の延べ棒には「Suisse(フランス語でスイスの意味)」の刻印が入っており、おそらくクレディ・スイスのことだろう。スイスの有名な銀行の1つであり、品質を保証している。4. コストコでの購入は良い取引だろうか
それは客次第だ。金の価値が上がると信じているのであれば、間違いなく良い取引となるだろう。だが、この世の終わりがやってくるとすれば、金の価値は将来下がるかもしれない。創造性に富み、売上を上げるための斬新な方法を模索するコストコの経営陣の手腕はなかなかのものだ。金の延べ棒の販売は、裕福な顧客から収益を生み出す新たな方法だ。同社の経営陣が常に収益増と成長を模索していることを示している。さらなる成長を目指す経営陣なのだ。実際そうしているように、ダイヤモンドを売ることができるなら、価値のあるものは何でも売ることができる。
(forbes.com 原文)