アート

2024.04.19 13:15

「ありえない」を生み出し、地球・超AIと共存する

アーティストの長谷川愛氏は当ワークショップや、上記のインタビューのやり取りを通して以下のようにコメントをする。

長谷川:「今回生み出された作品は現状批判が多かったので、批判の先の「現状をどう変えるか?」という未来を提示するところまで辿り着けると良いと感じている。それはインストラクター側の導線の問題でもあるので、今後の改善ポイントとして自省もするところです。また、今回の大きなテーマとして「地球・超AIと共存」があったのですが、テクノロジーに関する視点が最終作品には足りなかった。これもインストラクションする上での今後の反省点です。

また、今回ツボの作品がありましたが、今あるものをそのまま使うのが良いのか悪いのか、もよしあしだと思っています。美術の場合は、今あるものを使うのが大事なのですが、今回のように「ありえない」を生み出すことが求められるときに、今あるものを使いつつ現状の取捨選択をする目、その目をどうやって得ていけばいいのか? 考えてしまいます。

そして「率直な意見を言う」「批評を受け入れる」と言う点ですが、私も作品を公開する度に批評があるので、メンタルにきます。自分自身も批評の繰り返しなのでしんどいのですが、作品作りとはこう言うものかなと思っています。ただ、ビジネスの現場でも批評はあると思います。それを率直に伝える場所があるかないかの違いかもしれません。

総論、今回は公務員の方や地域活動をされている現場の方が参加してくれましたが、私も日本のローカル出身なので参加者の皆様の現在抱えている課題は重々理解できました。その上で、日本の現状抱える地域課題を打破するためにはパンク精神が大事だと改めて思いました。」

Art Thinking Improbableレクチャーを行うアーティスト長谷川愛氏 (c)NCL

Art Thinking Improbableレクチャーを行うアーティスト長谷川愛氏 (c)NCL

通常業務の範囲内だと「ありえない」を生み出せ、と言われることはないだろう。この通常からはみ出し「ありえない」ものを具現化するというテーマに日本の社会全体が取り組むことができたらどれだけ面白い未来が待っていることだろうか。今回のワークショップとそこから生まれた対話を通じて実感した。批判と批評を区別し、お互いの意見を率直に交換しながら、アイディアを形にしていくこの姿勢が、ますます求められてくるのではないか? 長谷川氏が最後に語って”パンクの精神”を合言葉に「ありえない」を追求し続ける仲間をこれからも増やしていきたい。

(c)NCL

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