平山:「公務員の職務は古くから同じものを繰り返していると思われるかもしれませんが、公務員の職務は閉じた話でなく、もっと上位概念で、その街そのものを考えていくゼロイチの発想が必要とされます。しかも今は課題が多く増えています。ですが、現在の公務員には職人的な人が多く、ミクロの視点で止まってしまいがちです。もっと、マクロ視点、複眼的にゼロイチ0→1を生み出し、また1→10を起こしていく必要があります。「ありえない」アート思考のワークショップは0→1を生み出す訓練として有効だと思ってます。地域のゼロイチを生み出す検証のための研修という立て付けで進めていくと、求める地域は日本全国に多くあるでしょう。また、今回は『地方創生』『民主主義』などテーマが大雑把だったのを、より地域ごとの課題として因数分解したものをテーマにすることにより、日本の各地域に「ありえない」を受け入れていく土壌ができていくと感じています。」
既にアートとブロックチェーンを使い地域関係人口を生み出している高瀬氏も以下のように続く。
高瀬:「地域の方々が第三者を受け入れていくための、関係性構築のためにも作品を展示し、意見をもらうという「フィードバック」の体験が大事だと今回感じました。また、現状維持ではなく変化を恐れないというマインドを作ることは習慣化させていく必要があると思います。なので、例えばこの「ありえない」ワークショップを一回やって終わり、ではなく何度も継続させていくことにより現状打破につながるのではないでしょうか?
「ありえない」を前提にしているので、新しいアイディアは怖くないもの、突拍子もないことを人に伝えることは案外悪くない、というのを地域の習慣にすることにより、柔軟性のある地域環境が作れるのではないでしょうか?これは、地域だけではなく、企業にも当てはまると思います。「ありえない」が生み出されるのを定着させていくのが今の日本社会に求められているものではないでしょうか?」