ビジネス

2024.04.18 10:30

中国のレアアース支配に対するオーストラリア鉱山王の挑戦

ジーナ・ラインハート(Getty Images)

ジーナ・ラインハート(Getty Images)

オーストラリアの鉱山王ジーナ・ラインハートが、Lynas Rare Earths(ライナス・レア・アース)の株式の5.82%を保有していることを明らかにした。これにより、重要な技術に不可欠な金属の供給において中国が優位に立つ状況に対し、西側諸国が対抗するための主要プレイヤーになろうとするラインハートの計画の一端が明らかになった。

ライナスへの出資は、今月初めに報告されたラインハートから米国のレア・アース鉱山会社MP Materials(MPマテリアルズ)への5.3%の出資と呼応するものだ。

ラインハートによるライナスへの出資は、豪州時間4月15日遅くにオーストラリア証券取引所に提出された大口株主届出書で明らかにされた。

報告によると、ラインハートとその一族企業のHancock Prospecting(ハンコック・プロスペクティング)が、昨年のクリスマス直前からライナスの株式を買い始め、最初の160万ドル(約2億5000万円)の投資に加えて、豪州時間4月15日に2600万ドル(約40億2000万円)を追加投資し、5%を超える大株主となった。

カリフォルニア州のマウンテンパス鉱山を操業するMPマテリアルズと、西オーストラリア州のマウントウェルド鉱山を操業するライナスは、ネオジムやプラセオジムといった金属を世界のレアアース供給網に供給する最大手企業の2社となる。

完璧な組み合わせ

両社の資産を合わせれば、世界のレアアース供給の25%以上をカバーできる完璧な組み合わせとなる。

今年初め、MPマテリアルズとライナスの合併を目指した協議が行われたが、合意には至らなかった。
次ページ > 現状につながる2つの救済

翻訳=酒匂寛

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事